Appleが発表した「iPhoneのバッテリー交換プログラム」が話題になっている。2018年の12月末まで、iPhone本体の保証およびAppleCare+による延長保証期間内であれば無償交換、保証期間が過ぎている場合でも、iPhone 6以降のバッテリー交換費用を通常の8800円から3200円に値下げするというもの。Apple Storeには交換を希望するユーザーが殺到し、機種によっては在庫切れや品薄の店舗も出ているようだ。
今使っているiPhoneのバッテリーに問題を感じていない場合は「交換プログラムが終わる直前の11月ごろに交換するのがお得では」という声もあるが、既にバッテリーの持ちが悪かったり、バッテリーの劣化でiPhone全体の動作が遅いと感じていたりする人は、すぐにでも交換したいと思っているはず。
AppleにiPhoneのバッテリー交換を依頼するにはどうすればいいのか? 交換前にやっておくべきことは? 順を追って確認してみよう。
どこで交換できる?
Appleにバッテリー交換を依頼する方法は、iPhoneをサポートに送って交換してもらう「配送」と「店舗持ち込み」の2つ。アプリ「Appleサポート」(iOS、無料)か、AppleサポートのWebページから詳細を確認できる。
配送はチャットや電話で申し込み、指定の配送業者に自宅で集荷してもらえる。
持ち込み修理は、Apple Store店舗内のサポート窓口「Genius Bar」か、Appleと同等のサポートを受けられる正規サービスプロバイダーで依頼できる。これらの利用には事前の予約が必要で、Appleサポートのページで持ち込み修理を依頼すると、最寄りのApple Store、ビックカメラ、クイックガレージ、カメラのキタムラなど、受け付けしている店舗の候補が表示されるので、自分が行きやすい場所を選択する。
iPhoneを修理に出す前にやっておくべきことは?
バッテリー交換を依頼する前にやっておくべきこともいくつかある。公式のサポートで案内している内容の要点は次の通りだ。
まずはAppleのクラウドサービス「iCloud」またはPCにインストールしたソフト「iTunes」(Windows、Mac)で、iPhoneに保存されたデータのバックアップを取る。
iCloudは、iPhone単体でデータを保存できるのがメリットだが、無料プランは容量が5GBまでしか使えない。14年に発売した「iPhone 6」ですら、一番下のモデルで16GBのストレージ容量があるため、全てのデータをiCloudにバックアップするには有料プランに入る必要が出てくる場合もある。価格は月額で50GBが130円、200GBが400円、2TBが1300円。PCを持っていないユーザーは、修理に出す間だけ契約するというのも手だ。
iTunesを使ったバックアップでは、PCのストレージに空きがあれば、iPhoneに保存されているデータを丸ごと保存できる。万が一、iPhoneを初期化した場合でも、iTunesに保存したバックアップを復元すれば、以前の環境へ簡単に戻せるのが心強い。
ただし、一部のゲームアプリなどはバックアップでデータが保存されない場合もある。重要なデータを保存しているアプリは、しっかりとアプリ内のヘルプを読んでおこう。
配送の場合は、(1)Apple Watchとのペアリング解除、(2)「iMessage」をオフにする、(3)デバイスを消去(初期化)する、(4)デバイスを紛失した場合に使うセキュリティ機能「iPhoneを探す」のアクティベーションロックを解除する、(5)SIMカード、ケース、画面保護フィルムなどを外す──といった手順になる。
Apple Watchのペアリングを解除すると、その時点でiPhone側にApple Watchのバックアップが作成されるという。修理からiPhoneが戻ってきて再度ペアリングすると、スムーズに元の環境に戻せるとしている。
店舗持ち込みの場合は、データのバックアップの他、(1)Apple IDのパスワードを確認、(2)購入時のレシートの用意(できれば)、(3)本人確認書類、(4)店舗への事前予約──などが必要だ。
対象者は、期間中にぜひバッテリー交換をしておこう。
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