Google、RCSベースのメッセージングサービス「Chat」に向けて「Allo」開発を“停止”
Googleが、2016年にリリースしたメッセージングアプリ「Allo」の開発を停止し、「Androidメッセージ」のRCSベースの新しいチャット機能「Chat」に注力すると、同社幹部がThe Vergeに語った。
米Googleは過去10年、新しいメッセージングサービスを立ち上げては終了してきた(その主な経緯は記事末の「関連記事」を参照されたい)。同社は昨年5月にリリースしたメッセージングアプリ「Allo」の開発を停止していると、同社幹部のアニル・サバルワル氏が米Vergeが4月19日に公開した記事で語った。
この記事は、Googleが現在、RCS(Rich Communication Service)ベースの新たなメッセージングサービス「Chat」に取り組んでいることを紹介するものだ。Googleは、RCSの「Universal Profile」に基づくChatで、Android端末でのSMSに代わるデフォルトのメッセージングサービスを目指す。
Chatは独立したアプリになるのではなく、Googleのメッセージングアプリ「Androidメッセージ」の一部になるという。
RCSは、SMSやMMSなどの現在のメッセージングサービスに代わる次世代コミュニケーションサービス。携帯電話事業者の業界団体GSM Association(GSMA)が2007年から取り組んでいる。ビデオ通話やグループチャットが可能で、キャリア間での互換性があることが特徴だ。GoogleはRCSの普及に努めており、Androidメッセージは既にRCSをサポートしている。
日本のNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクが5月から提供する「+メッセージ」もRCSに準拠するサービスだ。
GoogleがChatを普及させるには、キャリアや端末メーカーの協力が必要だ。Chatのプロジェクトを統括するサバルワル氏は、具体的な立ち上げ時期は明らかにしていないが、「来年半ばにはChatを一部の地域のユーザーが利用できるようになる」と語った。
関連記事
- 「LINE対抗ではない」 携帯3社、電話番号で送受信できる新メッセージサービス「+メッセージ」導入 5月9日から
大手携帯3社が、電話番号で写真や動画、スタンプなどを送受信できる新しいメッセージサービスを始める。 - Google、Slack競合の「Hangouts Chat」をG Suiteで提供開始
Googleが、昨年予告していたG Suiteユーザー向けの新チャットサービス「Hangouts Chat」の公式版を公開した。Slackのチャンネルのようなチャットルームやbot機能を備え、G Suiteのドキュメントの共有も可能だ。 - Google、RCSによるビジネス向けリッチSMSサービス開始
Googleが推進するRCS(Rich Communication Service)によるメッセージを、米国とメキシコの複数の企業が採用した。Sabwayなどがメニュー画像で出前を頼めるメッセージなどの配信を開始した。 - Androidの「メッセンジャー」が「Androidメッセージ」になったのはなぜ?
AndroidのSMSメッセージングアプリ「メッセンジャー」が2月23日のアップデートで名称が「Androidメッセージ」に変わった。 - 「Google Talk」終了へ──Googleが「ハングアウト」などコミュニケーションまわりを整理
Googleが“春の大掃除”でコミュニケーションツール関連を整理する。2005年スタートの「Google Talk」がついに終了する他、Android版ハングアウトのSMS機能削除、Gmail Labsの8つのサービス終了などだ。 - Google、「ハングアウト」をSlack競合の「Chat」とビデオ会議「Meet」に分割
Googleがビジネス向けコラボレーションと位置付ける「ハングアウト」を、ビデオ会議アプリ「Meet」とメッセージングアプリ「Chat」に分割すると発表。ChatはSlackのようにプロジェクトごとにroomを開設でき、AI botでMeetを設定できる。 - Android端末のプリインストール義務付けアプリから「ハングアウト」が消え、「Duo」に
GoogleがAndroid端末メーカーにプリインストールを義務付ける基本アプリセット「Google Mobile Services(GMS)」の「ハングアウト」が「Google Duo」に置き換わる。 - Google、AI bot入りメッセージングアプリ「Allo」とビデオチャットアプリ「Duo」を今夏公開へ
Googleが、AI bot「Google Assistant」を内蔵するメッセージングアプリ「Allo」とネット環境が不良でも高解像度の画像で使えるビデオチャットアプリ「Duo」を今夏公開する。Alloでは友達との会話にbotが参加して待ち合わせ場所の情報を表示したり、適切な受け答えの候補を提示したりする。 - Google、ハングアウトもGoogle+から完全独立 単体Webアプリ登場
Facebookがメッセンジャーの単体Webアプリを4月に公開したのを追うように、Googleもハングアウトの単体Webアプリを公開した。ようやくPCでGoogle+やGmailを起動せずにハングアウトを使えるようになった。 - Google、Android版単体アプリ「メッセンジャー」をリリース(ハングアウトも併存)
Googleが、Androidでのテキストメッセージ専用の単体アプリ「メッセンジャー」をリリースした。マテリアルデザイン採用で、多機能な「ハングアウト」よりメッセージングが(筆者体感ベースだが)軽快に行える。 - Google、統合メッセージング機能「ハングアウト」を発表 iOSアプリも提供
「Babble」あるいは「Babel」という名称で発表されるとうわさされていたGoogleの統合メッセージングサービスは「ハングアウト」という名称になり、Android、iOS、Chrome版のアプリも公開された。 - Googleが混沌のチャット機能を「Babble」に統合するとのうわさ
Google Talk、Google Voice、Gmailチャット、Google+ Messenger──など複数のメッセージング機能を統合する計画があるという。 - Google、Facebook対抗のソーシャルプロジェクト「Google+」を発表
「Google+」(グーグルプラスと読む)は、Facebookのような友達のグループ分け機能やグループビデオチャット、フィードリーダー、位置情報付きの投稿が可能なモバイルアプリなどで構成される総合的なソーシャルサービスだ。 - Gmailにグループチャット機能
スマイリーアイコンも追加された。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.