イーロン・マスク氏、タイ洞窟の少年救出用ミニ潜水艦の動画を披露
タイの洞窟から出られなくなっている少年たち救出のためにミニ潜水艦を作るとツイートした米起業家のイーロン・マスク氏が、約48時間後に潜水艦のプールでのテスト動画を披露した。
米起業家のイーロン・マスク氏は7月8日(現地時間)、タイ北部の洞窟の13人救出のために作った“ミニ潜水艦”の動画をツイートした。ロサンゼルスのプールで2人のダイバーが潜水して運んでいる様子を撮影したものだ。
マスク氏は6日、救出のために現地に自分が経営するトンネル掘削企業The Boring Companyと宇宙開発企業SpaceXのエンジニアを派遣したとツイート。さらに、救出のためにSpaceXのFalcon 9で使用している液体酸素移送管でミニ潜水艦を作り、これで少年たちを運ぶプランを立てていた。アイデアを出してから約48時間でプロトタイプを作ったことになる。
ミニ潜水艦は前後に4つの空気/酸素ポートを搭載し、重さは40キロ以下。水中でのバランスを保つためにはダイバー用のウェイトを巻く。
マスク氏は「これを改良すれば宇宙での脱出ポッドとして応用できるな」ともツイートしている。今回の救出作戦に間に合わなくても、今後役立つこともあるだろうともツイートした。
タイのメディアThai PBSの8日の報道によると、既に4人の少年が救出されている。この作戦では2人のダイバーが少年の前後を守りながら、少年用の酸素ボンベを抱え、少年はフルフェイスのマスクを付けて洞窟の中を進んだ。
残りの9人については、天候やそれぞれの健康状態をみながら救出を試みるとしている。マスク氏のミニ潜水艦は間もなく空輸されるが(ロサンゼルスからタイまでは約17時間かかる)、これが採用されるかどうかは不明だ。
現場の責任者の発表によると、4人の救出には世界各国から集まった13人のダイバーが参加し、約90人のダイバーが協力した。
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