Google、聴覚障害者向けリアルタイム字幕アプリ「Live Transcribe」と補聴アプリ「Sound Amplifier」
Googleが、聴覚障害者向けの2つのアプリを発表した。リアルタイム字幕アプリ「Live Transcribe」(β)は日本語もサポートする。補聴アプリ「Sound Amplifier」はAndroid 9 Pie以降に対応する。
米Googleは2月4日(現地時間)、聴覚障害者向けAndroidアプリ「Live Transcribe」(β)と「Sound Amplifier」を発表した。
Live Transcribeは、ほぼリアルタイムで周囲の音声を自動的に画面に書き起こすアプリ。まだ申し込みが必要なβ版で、今後発売される「Pixel 3」にはプリインストールされる。Sound Amplifierは補聴器のように、ノイズを除去して人の声を聞き取りやすくするアプリだ。こちらもPixel 3にプリインストールされる他、本稿執筆現在、米国版Google Playストアで公開されており、筆者のPixel 3にインストールできた。Live TranscribeはAndroid 5以降、Sound AmplifierはAndroid 9 Pie以降に対応する。いずれもAndroid端末の「設定」→「ユーザー補助」から起動する。
Live Transcribeを有効にすると、人の話す内容がほぼリアルタイムで端末の画面に表示される。紹介動画(記事末に転載)を見ると、実際にほぼリアルタイムだ。日本語を含む70カ国語をサポートし、相手にテキストで応答するためのキーボードボタンを搭載する。
誰かが話しかけたことを知らせるためのバイブ機能もある。画面はデフォルトは黒い背景に白い文字だが、逆にもでき、文字サイズも変更できる。
Google Cloudの「Cloud Speech API」を採用しているため、インターネットへの接続が必須だが、入力データがGoogleのサーバにアップロードされることはなく、端末内で完結する。
Sound Amplifierを利用するには、有線のヘッドフォンを端末に接続する必要がある。アプリを有効にしてヘッドフォンを接続すると設定画面が表示され、周囲のノイズリダクションレベルなどを調整できる。
静かな部屋で使ってみてもあまり効果は分からなかったが、駅などの騒音の多い場では健常者にとっても便利かもしれない。
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