これぞ“HD GAMEディスプレイ”の正統進化!――三菱電機「VISEO MDT242WG」詳報(2/3 ページ)

» 2007年12月18日 10時00分 公開
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DV MODEに階調性重視の新モードを搭載

 画質に関しては、従来機ですでに高いレベルにあったため、大きな変更点はないが、かゆいところに手が届くような機能の強化が各所に見られる。

DV MODEはスタンダードとゲームが2つのモードに分かれた

 まずは、DV MODEの拡充に注目したい。DV MODEは用途別に適した画調を手軽に選択できる画質モードのことで、同社の液晶ディスプレイでおなじみのものだ。このDV MODEがMDT242WGでは進化し、スタンダード1/2、テキスト、sRGB、フォト、ゲーム1/2、ムービーという構成になった。つまり、スタンダードとゲームが2通りの設定に分かれた形だ。このうち、スタンダード2とゲーム1が新設されたモードとなる。

 スタンダード1とゲーム1の各モードは内部の色補正回路を通さずに出力する仕組みで、入力された映像信号を本来の滑らかな階調で表示することが可能だ。これにより、ゲーム機などの微妙なグラデーション表示でトーンジャンプを抑えた美しい表示が行える。細かな改良点だが、前モデルを熟知したコアなゲームユーザーであれば、思わずニンマリしてしまうかもしれない、そんな機能だ。

 一方、スタンダード2とゲーム2は、内部の色補正回路を通すことで、SATURATION(彩度)とHUE(色合い)の細かな調整が行えるモードだ。特にHUEはRGBにCMYを加えた6色を個別に補正できるため、好みのカラーバランスを作り込める利点があるが、暗部から明部にかけてのリニアな階調表現ではスタンダード1とゲーム1のほうが勝る。

スタンダード2とゲーム2は、彩度調整と6色独立の色合い調整に対応する

 また、スタンダード2とゲーム2、そしてムービーの3つのモードで適用できるCR(Contrast Ratio)オプティマイザーの機能も追加された。入力された映像を解析してバックライト輝度をリアルタイムに上げ下げすることにより、映像コンテンツ視聴時のコントラストを向上させる機能だ。特にある程度暗いシーンで効果的に働き、夜景などの映像では黒がぐっと締まるのが分かる。

 理想を言えば、スタンダードとゲームの2つのモードが持つ特徴を1つのモードに統合できれば最高なのだが、現状の映像処理回路では実現が難しい。そこで現実的な回答として、2つのモードを用途に応じて使い分けられる仕様としたことは、ユーザーメリットを考慮すると正しい判断と言えるだろう。

 なお、DV MODEのほかに、人間工学的な知見にもとづき、使用者の年齢、設置場所の明るさ、映像の平均輝度に応じて、バックライト輝度を自動制御するIV MODEは、MDT241WGからそのまま引き継がれている。年齢に応じて、ジュニア、ミドル、シニアの3種類が選べるのも同様だ。そのほか、節電機能による消費電力量の低減効果を画面上で確認できるECOメーター機能も用意された。ユーザーフレンドリーな設計や省エネにまで配慮しているのは、MDT242WGの隠れた魅力の1つと言える。

16:9映像のサイドカット表示に対応、スルーモードも強化

 MDT242WGが搭載しているWUXGA(1920×1200ドット)の24.1インチワイド液晶パネルはMDT241WGと同じもので、画面のアスペクト比は16:10になる。これに対して、デジタル放送やHD対応ゲームの映像はアスペクト比16:9が標準なので、MDT241WGでは16:9映像の上下に帯を入れて正しいアスペクト比を保持する表示や、全画面フルスクリーン表示が選択できる仕様だった。

 MDT242WGでは、これに加えて新たにサイドカット表示機能を装備している。これは、16:9映像を入力した場合、両サイドを自動的にカットして全画面表示する機能だ。映像の左右は切れるが、画面上下の帯を省きつつも映像の縦横比がゆがまないため、映像ソースとの相性次第では最も見やすい表示になる。

16:9映像の上下に帯を入れて正しいアスペクト比で表示(写真=左)。16:9映像の左右をカットして拡大表示(写真=右)。ちなみに、帯のカラーは黒以外にも変更できる

 パネル解像度と異なる解像度を表示した際のスケーリング機能も充実している。AV入力時のアスペクト比は、MDT241WGからオフ、オート、4:3、16:9の設定を受け継いだうえで、新たに16:9MODEという特殊な設定を追加した。16:9MODEは、スルーモード適用時に正しいアスペクト比に近づけて表示する機能だ。

 スルーモードとはMDT241WGに採用されて話題を集めたゲーム向けの機能で、映像を入力してから表示されるまでのタイムラグを極限までカットする設定だ。具体的には、スケーリングに必要なフレームメモリの映像処理など時間がかかる機能を省くことで、映像の遅延を通常の2フレーム(2/60秒)程度から、1フレーム(1/60秒)以下まで、つまりユーザーが感じないレベルまで解消してくれる。利用頻度は高くない機能だが、非常に高速なレスポンスが要求される一部の音楽系や格闘系のゲームをプレイする場合に有効な手段となることから、ゲームユーザーに支持されていた。

16:9MODEでの表示。帯部分が狭いものの、こうした映像では違和感が少ない

 ただし、スルーモードも万能ではなく、スケーリング機能を省くことで入力した映像がフルスクリーン拡大表示に固定されるため、融通が利かない面があった。今回追加された16:9MODEでは、フレームメモリを使わずに液晶パネル側が画像表示で許容できるギリギリまで縦方向を縮めて表示させることにより、16:9に近いアスペクト比での表示とスルーモードを併用可能にしている。16:9MODEではわずかに縦長の表示になるが、人物の顔や円の表示などを除けば、ほとんど違和感なく使える印象だ。

 また、今回から追加された前述のサイドカット表示もスルーモードで利用できる。スルーモードの高速なレスポンスを維持しつつ、表示方法の選択肢が増えているのはゲームユーザーにとってうれしい機能強化だろう。

 WUXGA未満の解像度を入力した場合の画面サイズはMDT241WGと同様、全画面フルスクリーン拡大表示の「フル」、アスペクト比を保持した拡大表示の「アスペクト」、ドットバイドット表示(等倍表示)の「リアル」、入力解像度を縦横2倍にスムージングなしで拡大表示する「2×ズーム」(960×600ドット以下の入力解像度のみ)が選択可能だ。2×ズームの設定は、800×600ドット表示などの古いPCゲームを大きい画面でシャープに表示したい場合に重宝する。

 さらに、デジタルTVチューナーなどと接続する際、画面の周辺部に発生することがあるノイズを隠すため、入力信号の画面周辺部を削って表示する「オーバースキャン」の設定を3段階で切り替えられる機能も健在だ。

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提供:三菱電機株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年12月31日