モバイルタイプのドキュメントスキャナに求められるのは、まず1つに可搬性の高さ、もう1つにスペック面で妥協が少ないことだろう。キヤノンの「DR-P208」はこれらの条件を高い次元で両立させ、さらにオプションのWi-Fiユニット「WU10」との組み合わせで無線でのスキャンもサポートした。まさに新世代のモバイルスキャナだ。
無線LANやモバイルデータ通信の普及、そしてタブレットやスマートフォンに代表されるスマートデバイスの台頭により、いつでもどこでも、オフィスにいるのと同じ作業を可能にするツールへの関心が高まっている。中でも身近な紙情報をすばやくデジタルデータ化できるモバイルスキャナは、今熱い注目を集めるツールの1つだ。
ここにキヤノンから期待の新星が登場した。ドキュメントスキャナ「imageFORMULA」シリーズの新製品「DR-P208」だ。バスパワー駆動のスリムなボディながら最大10枚の原稿を同時にセットして1パスで両面をまとめて読み込めるという、モバイルスキャナとは思えないパワフルさが光る。
さらにこのDR-P208をオプションのWi-Fiユニット「WU10」と組み合わせると、タブレットやスマートフォンといったスマートデバイスから直接スキャンが行えるほか、PCからの無線での読み取りにも対応するなど、幅広い環境で利用可能だ。
モバイルタイプのドキュメントスキャナに求められるのは、まず1つは可搬性の高さであり、もう1つはスペック面で妥協が少ないことだろう。ボディサイズが大きく持ち運びにくければモバイルスキャナの意味がなく、かといって小型化にこだわりすぎてスキャナとしての基本機能が制約だらけではこれまた意味がない。どこで折り合いをつけるかが、製品の評価の明暗を分けるといっても過言ではない。
ではDR-P208はどうか、順に見ていこう。まず可搬性の高さについては、スティック型のボディを採用していることもあり、大変コンパクトだ。特に奥行きは収納状態で55.5ミリと、iPhone 5の横幅(58.6ミリ)よりも短い。本体前面の給紙トレイを開いても奥行きは76.5ミリしかないので、驚くほどスリムだ。
もともと同社はかつてのコンパクトモデル「DR-150」以来、設置スペースの小ささにこだわってきたが、DR-150の後継である現行のコンパクトモデル「DR-P215」の奥行きが収納状態で95ミリ、給紙トレイを展開すると257ミリに達することを考えると、DR-P208のスリムさは際立っている。
また重量は約600グラムと、iPadをはじめとする9〜10型のタブレットよりも軽量なので、日々の持ち運びには最適だ。ACアダプタは不要で、USBバスパワーのみで駆動するため、本体以外に持ち運ぶのはPCと接続するUSBケーブルだけとなる。本体はコンパクトだが、ACアダプタが巨大だった……という落とし穴もない。まさにモバイルのためのスキャナといっていいだろう。
本体の持ち運びやすさに加えて、セットアップやソフトウェアの面でもモバイル環境で快適に使うための工夫が見られる。まずは「プラグアンドスキャン」だ。これはPCにあらかじめドライバをインストールしておかなくとも、USBケーブルを接続するだけで内蔵ソフトウェアが起動してスキャンが可能になるもので、キヤノンのコンパクトスキャナが誇る便利な機構だ。
ドライバのインストールが不要なので、外出先などでPCを借りてスキャンする場合にも、わざわざドライバCD-ROMを持ち歩いたり、ネットからダウンロードしてインストールする必要がまったくない。近ごろは光学ドライブが付属していないPCも少なくないが、そうした場合もドライバのインストールに四苦八苦せずに、素早く使い始めることができるのは大きなメリットだ。もちろん今回のDR-P208も、この機能をしっかりと受け継いでいる。
「プラグアンドスキャン」を利用するには、本体背面のAuto Startスイッチをオンにした状態でPCに接続する。スキャナ本体内のメモリ領域からソフトウェア「CaptureOnTouch Lite」が自動起動するので、後は原稿をセットし、本体天面の右端にあるスキャンボタンを押すだけだ。接続から1枚目の読み取り開始まで、1分もかからない。
もちろん一般的な方法、つまりCD-ROMからソフトウェア「CaptureOnTouch」をインストールして使う方法にも対応しており、こちらであれば利用頻度の高い読み取り設定(ジョブ)を最大10件まで保存しておける利点もある。よく使うPCではソフトウェアをインストールして利用し、モバイル環境では「プラグアンドスキャン」を活用するといった使い分けが、DR-P208を便利に使うためのコツだ。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2012年12月25日