“X79ハイエンド構成”から「エンコ向けマシン」に最適化してくれ:ショップのダメ出し!(1/3 ページ)
いま自作で最高のパフォーマンスを追求するなら、頂上にある「Sandy Bridge-E」は無視できない。前回の“Z68最強構成”に続いて、40万円コースのX79マシンの極上構成を、PC DIY SHOP FreeTの森田氏にダメ出ししてもらう。
金に糸目はつけないから、エンコにも強い万能最強マシンを頼むよ
前回の“Z68最強構成”に引き続き、今回は“X79最強構成”にメスを入れてもらう。
知人からは「ゲームが超快適に遊べるマシン」を依頼されたわけだが、その後に詳細を確認する過程で「せっかくだから動画も保管したいし、編集もしたい」「できれば、数年先でもハイエンドな環境でいたい」とも言われるようになっていた。「なんとなくのコンセプトは決めていたけど、いざ具体的な段になってみるとあれもこれもやりたなる」という、線引きのあいまいさからくる典型的な症状だ。
そんな気まぐれに付き合うのは面倒だし、これ以上突き詰めていくと、どんどんコンセプトが変わっていきそうだったので、「ゲーミングマシン」と「ゲームも快適にプレイできるエンコードマシン」という2つの構成を用意して、選択肢を絞らせる作戦をとることにした。ゲームを快適にプレイするだけなら費用対効果を考えてZ68構成、エンコも含めて何でも快適にできる万能マシンなら、コンシューマー向けで最強が狙えるX79構成。これなら最終的に満足してもらえるはず。
つまり今回の構成は、前回のマシンスペックでは満足されなかった場合の予防線ともいえるわけが、もちろん妥協はしていない。そして、PC DIY SHOP FreeTの森田健介氏のダメ出しも一切妥協がなかった。
Quick Sync Videoを捨てて、Sandy Bridge-Eのパワーに頼る!
コンセプトは「ゲーム性能も高い、質実剛健なエンコマシン」。ゲームが快適でエンコードもできるという位置付けなら、CPU内蔵GPUでエンコードする「Quick Sync Video」機能が使えるZ68環境で十分だが、HD画質クラスのヘビーなエンコードを頻繁にするなら、最強のCPUと最高のキャプチャーカードの組み合わせが理想だ。
ダメ出し前のパーツ構成 | ||||
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パーツ | 製品名 | メーカー | 単価(相場) | 数量 |
CPU | Core i7-3960X Extreme Edition | インテル | 8万7000円 | 1 |
CPUクーラー | BXRTS2011LC | インテル | 8000円 | 1 |
マザーボード | P9X79 DELUXE | ASUSTeK | 3万5000円 | 1 |
メモリ | CAK4GX40D3U1600/HYN(DDR3-1600 4Gバイト×4枚セット) | センチュリーマイクロ | 1万6000円 | 2 |
SSD | RealSSD C300シリーズ 64Gバイト | クルーシャル | 9500円 | 4 |
光学ドライブ | BDR-206MBK | パイオニア | 3万円 | 1 |
グラフィックスカード | GV-N580UD-3GI | ギガバイト | 5万4000円 | 1 |
キャプチャーカード | MonsterXX | エスケイネット | 4万5000円 | 1 |
PCケース | SST-RV02B-EW USB3.0 | シルバーストーン | 2万4000円 | 1 |
電源 | Xシリーズ SS-760KM | シーソニック | 2万2000円 | 1 |
OS | Windows 7 Proffesional 64bit DSP版(USBカードとセット) | マイクロソフト | 1万4000円 | 1 |
そう考えて、Sandy Bridge-Eのなかでも上位の「Core i7-3960X Extreme Edition」と、フルHD/60fpsでエンコードできる「MonsterXX」をセレクトした。ただし、エンコマシンに必須のHDDについては、タイ洪水の影響が残る現状では確保が不安だと思い、あえて初回構成からは外すことにした。
そのぶんやや実験的な構成となるが、ブートドライブ用のSSDを4台そろえてRAID 5の構築を計画。マザーのSATAポートを埋めるのがネックだが、信頼性と転送速度の速さを両立できるRAID 5の魅力は捨てがたい。このあたりは、森田氏の意見を伺いたいという意識も含んでいる。
メモリは動画編集とエンコードのために容量を最大限に確保すべく、8基のスロットをフルに使った4Gバイト×8本の32Gバイト構成としてみた。するとマザーボードは8基のDDR3スロットが必要になる。そこでASUSTeKのスタンダードシリーズで最上位となる「P9X79 DELUXE」を選んだ。オーバークロックのチューニングは今回必要ないため、上位ブランドは不要という判断だ。
グラフィックスカードは、ゲーム用途はもちろん、CUDAによるエンコード時のフィルター処理支援も期待して、GeForce GTX 580カードをチョイス。電源は安定性重視で、シーソニックの80 PLUS GOLD認証を取得した760ワットタイプを選んでいる。PCケースは冷却性と拡張性を考えて、上部に排熱する煙突構成の「SST-RV02B-EW USB3.0」で、OSは大容量のメモリ環境が生かせる64ビット版のWindows 7 Professionalとした。
これで相場ベースの合計金額は38万9000円。およそ40万円のマシンとなった。大雑把にみて、将来の拡張性を考慮しつつ信頼性重視で外枠を作り、あとはとにかくハイエンドなパーツや、豪勢やマルチ構成をガンガンつぎ込んだ感じだ。ここから森田氏はどのようにパーツを代えていくのだろうか?
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