「Nexus 7(2013)」の液晶を測色器でチェック――初代機やiPad miniと比較:Nexus 7(2013)をもっと知りたい(1)(1/2 ページ)
液晶ディスプレイの画質は感覚的に評価されることが多いが、優劣をはっきり知りたい場合もある。今回は新旧Nexus 7の表示品質を測色器による計測結果とともに比較していこう。
液晶ディスプレイの高画質化に注力した新型Nexus 7
8月28日に国内販売が始まった「Nexus 7(2013)」は、先代の「Nexus 7(2012)」から各部を着実に強化し、手堅いモデルチェンジを果たした。価格は上昇したものの、7型Androidタブレットとしての完成度もそのぶん高まっている。
PC USERでは既に製品レビューを掲載済みだが、今回は数ある強化点の中でも特筆すべき液晶ディスプレイの画質について、先代のNexus 7(2012)と比較しながら調べていく。
新旧Nexusの液晶ディスプレイに関する仕様は下表にまとめた。
Nexus 7(2013)とNexus 7(2012)の液晶ディスプレイ | ||
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製品名 | Nexus 7(2013) | Nexus 7(2012) |
画面サイズ | 7型ワイド | 7型ワイド |
画面アスペクト比 | 16:10 | 16:10 |
液晶パネル方式 | IPS | IPS |
画面解像度 | 1920×1200ドット | 1280×800ドット |
画素密度 | 約323ppi | 約216ppi |
表面仕上げ | グレア | グレア |
いずれも画面サイズは7型ワイド、アスペクト比は16:10、液晶パネルは広視野角のIPS方式を採用する。2製品で異なるのは、画面解像度と画素密度(表示の細かさ)だ。Nexus 7(2013)は1920×1200ドットで約323ppi、Nexus 7(2012)は1280×800ドットで約216ppiと、画面サイズはそのままに解像度を2.25倍も高めている。Nexus 7(2012)の表示もなかなかの精細さだが、Nexus 7(2013)は使用中にドットを意識することがない非常に緻密な表示だ。
測色器で新旧Nexus 7の液晶ディスプレイを比較
まずはエックスライトのカラーキャリブレーションセンサー「i1Pro」を使って、新旧Nexus 7のディスプレイ表示を計測した。
i1ProはAndroid OSに対応しないため、新旧Nexus 7にWindows PCの外部ディスプレイとして利用できるアプリを導入し、PC用ソフトウェア「i1Profiler」からi1Proを制御することで、タブレット内蔵ディスプレイの表示を計測している。ディスプレイのキャリブレーションを行おうというわけではなく、あくまでi1Proを計測器として使っている点に注意していただきたい。
今回は2台のNexus 7(2013)を入手できたため、液晶パネルの個体差も考慮し、2台とも計測した。とはいえ、すべての製品にこの計測結果が当てはまるわけではない点はお断りしておく。
テスト結果は下表の通りだ。計測に使ったi1Proは、実際の輝度より少し低めの値を出す傾向があるので、輝度の値は各製品の明るさの比較用として参考程度に見ていただきたい。また、ここでのコントラスト比は一般的なディスプレイのコントラスト比の計測方法と異なり、単純に最大輝度と最低輝度の差だ。
i1Proで計測した各製品の輝度、コントラスト比、色温度 | |||
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製品名 | Nexus 7(2013)1台目 | Nexus 7(2013)2台目 | Nexus 7(2012) |
輝度 | 510カンデラ/平方メートル | 504カンデラ/平方メートル | 266カンデラ/平方メートル |
コントラスト比 | 1009:1 | 976:1 | 751:1 |
色温度 | 7299K | 7524K | 7512K |
白色点 x座標 | 0.301 | 0.298 | 0.301 |
白色点 y座標 | 0.319 | 0.318 | 0.307 |
※xとyの値はCIE XYZ表色系(CIE 1931)のxy色度図における座標 |
Nexus 7(2013)は2台とも最大輝度が500カンデラ/平方メートルを超えており、非常に明るい。室内ではまぶしすぎるので、実際の利用シーンでは、内蔵の照度センサーによる自動調光機能を使うとよいだろう。Nexus 7(2012)も十分な明るさだが、見比べると一目で輝度の違いが分かる。
色温度については、業界標準の色規格「sRGB」で定められている色温度(6500K)より高めだ。特にNexus 7(2013)の2台目とNexus 7(2012)は約7500Kとなっており、Nexus 7(2013)の1台目と比較して、白色の表示がやや青っぽい。Nexus 7(2013)の1台目も6500Kより少し高めで、白に赤みが少ないすっきりした表示となっている。
i1Proの計測結果からガンマ補正カーブを抜き出したのが以下の画像だ。グラフは映像信号の入力と出力の関係を示しており、左下の0(白)から右上の255(黒)まで、R(赤)、G(緑)、B(青)の各線が重なってリニアな直線を描いていれば、グレーバランスが正確で階調の再現性が高い。RGBの各線がずれると、映像信号の色とズレた色が表示されたり、美しいグラデーションが描けなくなる。
計測後のガンマ補正カーブは、2台のNexus 7(2013)が良好な結果だ。RGBの3本がほとんど重なって直線を描いており、素直な階調表現が期待できる。Nexus 7(2012)は、中間階調が少々乱れているが、それでも2万円を切るタブレットとしてはまずまずの表示傾向といえる。
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