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薄さ小ささの秘密
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光学3倍ズームレンズデジカメでは世界最小最軽量という「Optio S」は本当に小さい。こんな薄いボディの中にどうやってズームレンズが納められているのだろうと思うほどだ。でも、電源スイッチを入れると3段式の沈胴レンズがせり出てくる。
出っ張りがほとんどないシンプルな矩形の表面には同心円状の細かい加工がなされており、かなり個性的。ほぼカードサイズである
非常に薄く、ここから3段沈胴式のレンズが飛び出るとは思えないほどだ。上方がやや斜めにカットされているのはより薄く見せるための技術だろう
薄さの秘密はペンタックスが開発した、収納時に真ん中のレンズ群が上にずれるため重ならないで済む「スライディング・レンズ・システム」にある。「理屈は分かっていても、レンズを上に動かすなんてうちでは怖くて作れない」という技術者もいるほど。
しかもレンズの沈胴はけっこう高速。ちなみにこのレンズは、カシオ計算機の「EXILIM EX-Z3」にも採用されている。
35-105mm相当の3倍ズームで、明るさはF2.6-4.8と遜色ないスペック。その上スーパーマクロ機能を使えば約6cmまで寄れる。CCDは1/2.5インチの総画素数334万画素。
画質もコンパクト300万画素機としては標準レベルを確保。やや硬めの絵ではあるが、日常の利用では問題は感じないだろう。
バッテリは薄型のリチウムイオン充電池で3.7Vの710mAhと容量的には十分ある。記録メディアはSDメモリーカード。さらに11MBの内蔵メモリも持っているのでメディアを入れ忘れても数枚は撮影可能だ。光学ファインダも三脚穴もストロボももちろんきちんと内蔵している。
それでいてこのサイズに納まっているのは、MCMというパッケージを利用した超小型の画像処理回路を採用しているため。こちらはカシオが開発したもので、EXILIM EX-Z3も採用している。カシオとペンタックスがお互いに得意な技術を交換し合ってベースができているのだ。そういう意味でもユニークな製品である。
だが、絵作りや撮影機能、使い勝手は各社それぞれ独自に設計しているので、EXILIM EX-Z3とOptio Sはお互いに異なった性格のデジカメとなっている。
[荻窪圭, ITmedia]
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