> コラム 2003年5月23日 19時55分 更新

デジタル写真時代の表現者#001:もっちーの現場

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素人のほうが写真を楽しめる

「いい写真というのは極めて主観的なもので、その人がいいと思えばいい写真なんです」。

 心を動かされて撮った写真。または何か心を突き動かすものが写っている写真は、いい写真とされることが多い。しかし、プロが業務で写真を撮る場合、その都度感動していられるものではない。

「広告写真を撮影するカメラマンは、クライアントの要求に応えるための技術を提供する職人なんです。与えられた環境(=モデル、スタジオセット、またはロケ地)の中で、ベストな結果を出せるように努力します。しかしシャッターを押すたびに、必ずしも感動しているわけではない。写真を純粋に楽しむ、という意味ではアマチュアカメラマンの方にはかないません」。

 オフの日は何をしているかというと、「写真を撮ってます」と即答したもっちー。オフの日の撮影は緊張する必要もないし、時間も自由だし、写真をとことん楽しめるから、いい写真が撮れることが多い、という。

「同じカメラを持っていても仕事とオフとでは気分がまったく違いますね。オフの日は時間に追われませんから。一服してシャッターを押すといい写真が撮れます。

 最近、海外のロケ先で見かける、カメラ付き携帯で観光地を撮影する日本人観光客。ぼくにはあれはスタンプラリーをやっているように見えます。肉眼で景色を見ることをせず、ケータイ電話のカメラに記録するだけで移動してしまう。まるで時間に追われるようにして。

 でもちょっと一拍置いて、きちんと肉眼で景色を焼き付ける。それからシャッターを押せば、いい写真が撮れますよ、きっと」。

給湯室の冷蔵庫の上。なんとこんな空きスペースにまでも、画像データ・サーバが鎮座していたのだった。おそるべし!


画像データの資産はPCのハードディスクからすぐに外部HDへ移動。数10GバイトのHDが15個以上も並んでいた。これをDVDに焼いていく


ディスクに焼いたデータは色分けしたケースで識別できる状態にして、棚にストックしていく


もっちーのオフィスには隠しカメラが何台も設置されている。このカメラはあるサーバに接続されていて、外出先のPC端末から留守中のオフィス内をモニタできるのだ


望月 宏信(Motiduki Hironobu)

 1961年、東京生まれ。1991年株式会社イリュージョンを設立。20年間にわたり広告写真家・フォトディレクターとして、大手企業各社の広告活動に参画。多数の雑誌で作品を発表し、日本写真学会や各メーカーのデジタルセミナー等の講演も行う。日本写真学会、日本芸術写真学会会員。PCUPdate

[島津篤志(電塾会友), ITmedia]

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