> レビュー 2003年7月7日 06:24 PM 更新

コンパクトで高機能・高画質なキヤノンの500万画素CCDモデル
キヤノン PowerShot S50(3/4)

製品写真
総合評価8
画質9
カメラ性能8
デジタル性能7
デザイン・インタフェース7
機動力7
レイティングポリシー

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 画質はさすがキヤノン。キヤノン得意の映像エンジン「DIGIC」や撮影シーンを予測するiSAPSテクノロジーのおかげか、発色は鮮やかで適度にコントラストがあり、ホワイトバランスもほとんど外さない。ノイズが少なくエッジ強調もきつ過ぎないのも好感が持てる点だ。やや露出オーバーになることもあるが、基本的にはオートのままで問題はないし、もうちょっとメリハリがほしいときは、色効果モードで「くっきりカラー」を選ぶといい。

 オートホワイトバランスは照明の雰囲気を残すタイプで、特に夕刻や室内では暖色系に写りやすい。白いものを白く撮りたい場合はカスタムホワイトバランスを使うなどの工夫が必要だろう。

 ホワイトバランスや色効果モード、さらには解像度やISO感度、露出補正といった撮影に関わるパラメータはすべて、左手側にあるFUNCキーを押すと出てくるメニューに入っている。このメニューは、撮影中は画像ができるだけ隠れないよう画面の端に表示される。シャッターを半押しにするとメニューが消えて撮影できるようになり、撮影が終わるとまたメニューに戻るため、あれこれと試しながら撮影するときにも使いやすい。


右手親指があたる位置が大きく空いているのが特徴。十字キーは上部右端にある。モードダイヤルの下には再生スイッチ。左端にFUNC、MF、測光モードがある。常に両手を使うインタフェースといっていい

 ISO感度は50〜400でオートもある。オート時は50〜150の間で自動的にセットされる仕組みで、勝手に増感されてノイジーになる事態は避けられるが、逆にノイズが増えても感度を上げたいというときは手作業でセットしなければならない。ISO50だとノイズの少ないきれいな絵が得られる。

 MENUキーはそれ以外の設定。セットアップ系の他、スローシンクロのオン/オフやインターバル撮影などもここでセットする。スローシンクロのオン/オフがここに入っているのは不便だが、それ以外はFUNCとMENUが分かれたために使い勝手は上がっている。

 基本操作は、右上にある十字キー兼SETキーで行う。スイッチがふわふわしていて頼りなさげだが、慣れれば誤操作もなく、なかなか使いやすい。

ずんぐりしているが持ちやすいボディ

 ボディは横長だが、スティックというほどではない。全体に丸みを帯びてずんぐりしており、厚みはけっこうある。丸いので握りやすいし、背面の右手親指があたる位置にキーが何もないのでしっかり握れるのもよい点だ。

 レンズカバーをカチッと音がするまでしっかり開けると撮影可能になる。起動は実測で約4秒。レンズカバーが固めなので取り出してサッと撮るのには向かないが、普通のポートレートやスナップ用デジカメとしては何の問題もないだろう。

 右手親指の先がちょうどあたる位置に再生スイッチがある。撮影中にこのスイッチを入れると再生モードになる。再生時にシャッターを半押しにするとすぐ撮影モードに戻れるのはさすがの使い心地だ。

 再生はやや遅め。特に、縦横自動検知機能を使っていると縦位置で撮った写真は自動的に縦に表示されるが、この表示がけっこう遅い。縦位置で撮ることが多い人は再生がもたついて遅いと感じるだろう。もうちょっと高速化してもらえるとありがたい。

 本体重量は260グラム。ポケットに入れるには向かないが、バッグに入れるなら気軽に持ち歩けるといっていい。バッテリは専用のリチウムイオン充電池で、IXY DIGITALのものよりひとまわり大きく、PowerShot Gシリーズよりはひとまわり小さいサイズ。7.4V/570mAhと容量はけっこうあるので持ちはいい。充電は充電器にバッテリをセットするタイプだ。記録メディアはCFカードで、マイクロドライブにも対応している。

 つまり、かなり本格的な撮影をする人にも対応したボディと機能を持ったコンパクトデジカメがPowerShot S50なのだ。これといった個性はあまりないし、デジタルならではの面白みも抑えられているが、その分銀塩カメラを長く使ってきた人がデジカメに移行を考えた場合にあまり違和感なく使えるはず。その辺がPowerShot S50の特徴で、写真好きで時には凝った撮影もしたいが、気軽に持ち歩けない大きなデジカメはいやだ、という人に向いている。

 ただ、特に500万画素にこだわらないのなら、昨年秋に出た同等機能の400万画素機「PowerShot S45」という選択肢もある。こちらの方が画素ピッチが若干大きい分余裕もあり、S50かS45かといわれると悩ましいところだ。価格面で有利なPowerShot S45を選ぶのも、またひとつの手だろう。

[荻窪圭, ITmedia ]

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