> レビュー 2003年11月13日 09:27 AM 更新

ソニーが作った大人の薄型コンパクト――サイバーショット DSC-T1(3/4)


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 このようにボタンはシンプルで、多くの操作を「MENU」ボタンを押すと表示されるメニュー画面で行うのだが、文字が大きくなった(フォント自体はあまり変わらないようで、昔の倍角文字のようにちょっとデコボコしてはいるが)ため、2.5インチサイズの液晶と相まってかなり見やすくなっている。メニュー表示は今までのサイバーショットと同様、画面の下に項目が並び、十字キーで選択するというものだ。

 十字キーには発光モード、クイックレビュー、セルフタイマー、マクロの各機能が割り当てられており、これらはすぐにアクセスできる。また、メニューの中には8モードのシーンセレクションが用意されている。いわゆる「スーパーマクロ」に相当する「拡大鏡」(これがシーンセレクションにあるべきかどうかは疑問だが)、「夜景」、「風景」、「ビーチ」、「打ち上げ花火」などである。

 動画は、サイバーショット伝統のMPEG-1撮影。VGAサイズで記録メディアがいっぱいになるまで撮影可能な「MPEGムービーVX」に対応している。

フォトスタンドとしても使用できるUSBクレードルが付属

 バッテリーは新開発の「インフォリチウムTタイプ」で、これも新しいシリーズだ。T1に似合う薄型のバッテリーで、容量は680mAhと他社の超小型コンパクトデジカメなどと同等である。とはいえインフォリチウムなので、画面に残り撮影予測時間が表示されるのはうれしい。


底面のカバーを開けるとバッテリーとメモリースティックDuoスロットが現れる。メモリースティックDuoはメモリースティックの小型版で、アダプタに入れればメモリースティックとしても使える。大きさは、SDメモリーカードよりもちょっと小さいくらい

 記録メディアはメモリースティックDuo/メモリースティックPRO Duoで、Uシリーズに続く採用となった。薄型ボディにはよいのだろうが、データを読み込む時はメモリースティックDuoアダプタを使ってメモリースティックリーダにセットする必要があり、また容量や価格でもまだメモリースティックPROやSDメモリーカードに劣る(2003年秋現在、メモリースティックPRO Duoの最大容量が256Mバイトなのに対し、フルサイズのメモリースティックPROは最大1Gバイト)。Uシリーズならともかく、500万画素でファイルサイズが大きくなりがちな製品に搭載するのは、ちょっと時期尚早な気がしないでもない。

 とはいえ、実際にパソコンへ転送する際にはUSBクレードルを使うことになるだろうから、大容量の記録メディアが必要という人以外は大きな問題とはならないだろう。

 USBクレードルは、「袴」のようなシンプルなスタイル。液晶モニタを手前に向けてセットすると充電が開始され、上部にある電源スイッチを押すとUSB接続モード(USB 2.0を採用)になり、パソコンへのデータ転送が可能になるという仕組みだ。フォトスタンドとしても使える。


USBクレードルはパソコンへのデータ転送や充電が行えるほか、撮った写真をスライドショー表示するフォトスタンドとしても使用できる。USB 2.0に対応しているのでデータ転送は高速だ

 T1は、ソニーが作ると薄型ズームデジカメはこうなる、というのを見せつけたモデルで、500万画素ということもあり、フルオート系コンパクト機としては実売価格が5〜6万円とやや高めだ。しかし、カメラ臭くなく、メタリックでシンプルな薄型スタイルに惹かれる人向けの製品と思えば、やや高めの価格もなんてことはないだろう。ポケットに気軽に入れて持ち歩き、サッと取り出してサッと撮るという「スマートなデジカメ」で、そうは見えないけれど実は500万画素もある、というのがポイントの製品なのだ。

[荻窪圭, ITmedia ]

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