ニュース
» 2018年04月27日 12時30分 公開

センシングのプロが考えるIT×交通インフラ

セキュリティセンサーで世界シェア50%以上を有するオプテックスグループは、豊富な実績のあるセンサー技術を交通インフラ向けに応用したサービスを展開している。

[石原忍,BUILT]

 レーザーや赤外線など多様なセンシング技術を世界市場で提供しているオプテックスグループは、交通インフラ向けに3つのソリューションを開発した。2018年4月18〜20日に千葉・幕張メッセで開催された「第3回 駅と空港の設備機器展2018」で披露した。

駅・空港・駐車場を対象に豊富な実績のあるセンサー技術を導入

 同社が今回提案するセンシング技術は、空港、駅、駐車場を対象としたソリューション。空港向けでは、センサーにより空港敷地内や制限区域への不正侵入を未然に防ぐ新技術を訴求した。空港敷地を囲むフェンスに光ファイバーを張り巡らせ、侵入者が触れれば周波数で振動を感知して知らせる。振動は、モニター上に波形として表れるため、風や小動物などの一定リズムの揺れや微細な動きに反応してしまうといった誤動作は起きない。

フェンスに張り巡らされた侵入者を検知するセンサー=19日、幕張メッセ
フェンスに揺れを検知するとモニター上に波形が表示される=19日、幕張メッセ

 レーザースキャンを採用したタイプでは、空港内にある重要施設用の検知センサーがある。高精度検知方法のTime of Flight方式で物体の大きさ、移動距離、速度などのデータから、侵入者の入ってきた位置を特定。位置情報をPTZカメラに伝送することで、追尾することも可能だ。建物を背に設置した場合は、水平方向で60mの半円が検知エリアとなる。屋上などに、地上を見下ろす形で置くと、高さ4〜15m、幅52〜59mをカバーする。

 空港ゲート用では、独自開発の画像センターで、到着口から逆に入ってこようとする歩行者を判別する技術を出品。複雑な人の動きから、移動方向を認識して、逆行する人間を見つけ出せることができる。

侵入位置を特定するレーザースキャン=19日、幕張メッセ

 交通量測定では、日本市場でトップの実績がある人数カウントセンサーを転用。駅を対象に利用客数や混雑状況を測定する。1分間に100人が通行しても高精度でカウントでき、これまで人の手に頼っていた「流動調査」を自動化した。

 センサーにはSIMが差し込まれているため、測定データは専用クラウド「TRAFIX Cloud」にアップされ、タブレット上などでリアルタイムに状況が把握できる。センサーはオールインワンなため、電源さえあればどこでも備え付けられるという。

独自開発の人流調査センサーと、タブレット上で表示したクラウドサービス「TRAFIX Cloud」=19日、幕張メッセ

 駐車場用途では、マイクロ波&超音波センサー「ViiKシリーズ」を展示した。駐車スペースの後ろに備え付けるだけなので、地中に埋め込んだり、地面に設置したりする必要がない。人には反応せず、車体色の影響も受けずに車だけを認識。炭素繊維強化のプラスチック車種(CFRP)にも対応する。

 開発中のものでは、駐車場の運営管理やサービス向上を想定し、車両の進入、存在、離脱を確実に検知する方法を示した。検知器は電池駆動で、在空信号も無線送信するため、配線工事は不要。電池の寿命は5年なので省メンテナンスにつながる。

 グループ傘下で客数情報システムの開発を担当している技研トラステムの責任者は、「侵入検出センサーは神戸空港で実際に運用されている。これからは太陽光パネルなど、電力施設で防犯対策を見込んだ提案も行っていく。人流調査センサーは、駅前の再開発で設計を行う前の通行量調査や駅ナカ施設の導線計画などで利用されている。快適な施設空間の整備に活用してもらいたい」と期待を述べた。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.