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» 2018年06月07日 07時00分 公開

乾燥収縮のひび割れ防ぐ、コンクリート技術を確立

フジタは安藤・間、熊谷組、佐藤工業、戸田建設、西松建設、前田建設工業の6社と共同で、コンクリートの乾燥収縮によるひび割れを制御できる技術を確立。研究施設と教育施設の化粧打放し壁、事務所ビルの外壁、物流施設の床スラブなどに既に導入されている。

[石原忍,BUILT]

 大和ハウスグループのフジタは2018年6月6日、安藤・間、熊谷組、佐藤工業、戸田建設、西松建設、前田建設工業の6社と共同で、コンクリートの乾燥収縮ひずみを0〜800×10-6(長さ1mのコンクリートが0.8mm縮む)の範囲で制御できる技術を確立したことを発表した。

2年の暴露で、高耐久クラスは77%のひび割れ低減

 この技術に基づき製作したコンクリートは、「フィットクリート」として、商標登録を出願。フィットクリートで製作した実大試験体への2年間の暴露試験を通して、乾燥収縮ひずみ低減対策に応じたひび割れ抑制効果を確認し、実物件への適用を開始した。

 これまでに、0〜100×10-6に制御した「収縮ゼロクラス」を2物件(研究施設と教育施設の化粧打放し壁)、250×10-6に制御した「低収縮クラス」を2物件(事務所ビルの外壁、物流施設の床スラブ)、400×10-6に制御した「高耐久クラス」は多数の物件で導入済み。現在1物件で、収縮ゼロクラスの採用が検討されているという。

次世代インフラ・メンテナンス・システムの構築などインフラ管理の高度化

 共同開発した7社は2015年に、さまざまな産地の石灰石粗骨材、収縮低減剤および膨張材を用い、コンクリートの乾燥収縮ひずみを0〜800×10-6の範囲で制御する方法を確立した。

 ひび割れ抑制効果の検証では、実大の壁・デッキスラブ試験体を製作し、屋外での暴露試験を行った。2年経過後には、1m2(平方メートル)あたりに発生したひび割れ長さで比較した場合、壁試験体は無対策のコンクリートに対し、乾燥収縮ひずみを400×10-6に制御した高耐久クラスでは約77%のひび割れ低減効果が確認された。収縮ゼロクラスでは外観上、ひび割れは発生しなかったという。

 デッキスラブ試験体では、無対策のコンクリートのものを除き、高耐久クラス、低収縮クラスのいずれの試験体でもひび割れは発生しなかった。

普通コンクリートの24カ月後の状況
左から高耐久クラス、収縮ゼロクラスの24カ月後の状況(クリックで拡大)=16日、渋谷

 フジタは今後、ひび割れのない美観を要求されるコンクリート打放し仕上げの躯体や、倉庫・工場などの床、高い遮蔽性が要求される構造物などに対し、要求性能に応じて最適な性能のコンクリートを提供できるようにフィットクリートを提案していくとしている。

実大実験の組み合わせ

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