売電+本社ビルへ送電、2つの用途を兼ねたメガソーラー:自然エネルギー
不動産賃貸を手掛けるヒューリックは太陽光発電事業に取り組む。特徴は固定価格買取制度(FIT)による売電と併せて、本社ビルの消費電力の一部を太陽光発電でまかなうことだ。
固定価格買取制度(FIT)を利用した売電だけでなく、ビルの消費電力をまかなうメガソーラーが福島県に登場する。
ヒューリックは都市部の不動産賃貸などを取り扱う企業。福島県広野町に建設中の太陽光発電所(約3万8000m2、採石場跡地を利用)の地上権と発電設備をアドバンスと関連会社から12億円で取得し、太陽光発電事業を開始する(図1)。建設中の発電所は2014年3月から送電網と連系を開始する予定だ。
発電所の出力は2.3MW。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の日射量データベースの数値から計算すると、年間予想発電量は230万kWh程度になる。
発電所事業はヒューリックと関連会社のヒューリックビルマネジメントが進める。図2にある太陽光発電所のうち、ヒューリックが所有する部分が発電した電力を2012年に完成した本社ビル(東京都中央区)に供給する*1)。地下1階、地上10階、延べ床面積約7700m2のオフィスビルだ。発電所から本社ビルまでの距離は220kmほどあるため、新電力(特定規模電気事業者:PPS)などを利用して電力を送ると考えられる。
今回の発電所は東京電力福島第一原子力発電所の南25kmの位置にある。電力を自家消費することと併せ、被災地の土地利用法として優れているといえるだろう。
*1) 同ビルは屋上に出力10kWの太陽光発電システムを導入しており、通常時は館内で利用する他、非常時には災害対策室の非常用電源として利用できる。
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