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7月の販売電力量は前年比3.1%も減少、7カ月ぶりの大幅減に:電力供給サービス
電力需要の減少傾向は今夏も続いている。電力会社10社が2014年7月に販売した電力量は前年と比べて3.1%の大幅な減少を記録した。家庭向けの電灯が4.1%減、企業が利用する業務用が4.9%減で、工場などの産業用も1.1%減だった。減少率が3%を超えるのは2013年12月以来である。
2014年7月の販売電力量は電力会社10社の合計で680億kWhになり、前年7月の702億kWhから3.1%の減少だった(図1)。各社の販売電力量をまとめた電気事業連合会では、気温が低めに推移したことによる冷房需要の減少を理由に挙げている。とはいえ家庭と企業の節電対策が継続的に効果を上げていることは間違いなく、8月以降も販売電力量が前年を下回る可能性は大きい。
用途別に見ると、家庭向けの「電灯」が前年比4.1%の減少で、5月から3カ月連続で前年の実績を下回った。企業のオフィスなどで利用する「業務用」も4.9%の減少になり、4月から前年割れの状態が続いている。このところ景気の回復で需要が増えていた工場などの「産業用その他」でも前年から1.1%減少した。
電力会社の販売電力量は過去3年間にわたって減少傾向を続けているが、2014年に入ると1月から4月までは前年を1%ほど上回るペースで増えていた。ただし5月からは一転して減少に転じ、7月まで3カ月連続で3%前後の大幅な減少幅になっている。減少率が3%を超えたのは昨冬の2013年12月に3.9%減になって以来7カ月ぶりのことである。
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