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青森・大間の風力発電所、当初計画から1年4カ月遅れて工事開始:法制度・規制
J-POWERが青森県の大間町で計画を進めてきた風力発電所の工事がようやく始まった。9基の大型風車を設置して合計19.5MWの発電能力になる。大規模な風力発電所の建設に必要な環境影響評価に時間がかかり、着工は当初の計画から1年4カ月、運転開始も1年遅れて2016年3月の予定だ。
日本で風力発電が最も盛んな場所は青森県の下北半島である。風況に恵まれた半島の北端で「大間風力発電所」の建設プロジェクトが始まったのは4年前の2010年だ(図1)。全国各地に発電所を展開するJ-POWER(電源開発)にとって青森県で初めての風力発電事業になる。当初は2013年6月に工事を開始する予定だったが、環境影響評価の過程で計画の変更が必要になり、ようやく2014年10月8日に着工にこぎつけた。
大間風力発電所はJ-POWERグループが建設・運営する国内で21番目の風力発電所で、9基の大型風車で19.5MW(メガワット)の電力を供給する。1基あたりの発電能力は2.3MWあり、合計すると20.7MWになるが、出力を制御して19.5MWに抑える。
当初の計画では大間町の山間部にある牧場の周辺に、10基の大型風車を設置する計画だった(図2)。ところが10MW(1万kW)以上の風力発電所の建設に必要な環境影響評価の開始時にJ-POWERが提出した「準備書」に対して、環境省が動植物に対する影響などを追加で調査するよう求めたことから、予定期間を大幅に超えて2014年9月に環境影響評価の手続きを完了した。
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