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木質バイオマスの燃料製造から発電まで、東京の廃棄物処理会社が東北で挑む:自然エネルギー
岩手県の花巻市で林業と連携した木質バイオマス発電プロジェクトが進行中だ。東京に本社を置く廃棄物処理のタケエイが燃料のチップ製造から発電までを手がける計画で、花巻市内にチップ製造会社と発電事業会社を設立した。2016年度内に発電を開始して1万4000世帯分の電力を供給する。
タケエイが花巻市で実施するバイオマス発電事業は、地域の森林で発生する間伐材のほかに、河川やダムの流木、さらには松くい虫の被害を受けた木も対象に加える。それぞれの木材は用途がなく、有効な処理方法が森林事業の課題になっている。タケエイは東日本大震災の被災地で災害廃棄物の処理事業に取り組んだ経験から、地元の自治体などと協議のうえ木質バイオマス発電を実施することに決めた。
花巻市内に発電事業会社の「花巻バイオマスエナジー」を2014年10月に設立したのに続いて、地域で収集した木材を発電用の燃料チップに加工する「花巻バイオチップ」を2015年2月に設立した(図1)。花巻バイオチップには森林組合や林業・製材事業者の出資を募って、長期的に燃料を調達できる体制を構築して発電事業を推進していく。
発電能力は6.25MW(メガワット)になり、1日24時間の運転で年間に340日の稼働を予定している。年間の発電量は約5000万kWhを見込んでいて、一般家庭で1万4000世帯分の使用量に相当する。発電した電力は固定価格買取制度で売電する方針で、年間の収入は約13億円になる見通しだ。2016年度内に運転を開始する計画である。
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