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ガスから水素へ、国内商用初の都市ガス改質型ステーションが大阪で稼働:自然エネルギー
大阪ガスは商用では国内初となる都市ガス改質型の水素ステーション「北大阪水素ステーション」を開所した。同ステーションはオンサイト方式を採用し、他の水素ステーションへの水素供給拠点としての役割も果たす。
新たに2015年4月22日に開所した「北大阪水素ステーション」(大阪府茨木市)は、自動車メーカー各社の燃料電池車(FCV)の一般販売開始に合わせ経済産業省の「水素供給設備整備事業補助金」の採択を受けて建設されたものだ(図1)。
既存の天然ガススタンドと併設することで効率的な運用を実現している他、施設内に水素製造設備を抱える「オンサイト方式」を採用しており、都市ガスを改質して水素を製造する。
設備としては、水素製造装置と水素圧縮機、畜ガス設備(畜圧器)、ディスペンサー、水素プレクール設備、出荷設備などを用意する。水素の充填(じゅうてん)能力は1時間当たり300N立方メートル(約30kg)で、充填圧力は70MPa(メガパスカル、約700気圧)、1台当たり3分程度で充填可能だとしている。水素の販売価格は1100円/kg(消費税別)。水素製造装置には大阪ガスが商品化したコンパクトな水素発生装置「HYSERVE−300」を採用。都市ガスを改質して高効率に水素を製造することが可能だ(図2)(図3)。
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