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北海道初のLNG火力1号機に着工、2028年までに3基で170万kWを発電電力供給サービス(1/2 ページ)

北海道電力は、北海道初の天然ガスによる火力発電所となる石狩湾新港発電所において、1号機の建設に着工した。2014年8月から土地造成工事などの準備工事を進めてきたが、いよいよ発電所本体の建設に取り掛かる。

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 世界的に地球温暖化に対するCO2削減の動きが活発化しているが、日本においてCO2削減目標達成に向けて重要な役割を担っているのが、電力事業におけるCO2の排出量だ。日本の温室効果ガス排出の約4割は電力事業によって発生しており、その大半が老朽化し非効率となった火力発電所から生まれている(関連記事)。

 そこで重要になってくるのが「高効率火力発電」である。既に燃料費の安い石炭や天然ガスを使って効率よく発電できる技術が続々と登場。さらに、その中心になる技術として「コンバインドサイクル(複合)発電」が注目を集めている。

北海道電力初のLNG火力発電所

 これらを背景に、北海道電力でも液化天然ガス(LNG)を活用した火力発電所を検討。石狩湾新港発電所は、北海道電力では初めてのLNG火力発電所となる(図1)。発電方式はガスタービンおよび汽力(コンバインドサイクル発電方式)を採用し、燃料の天然ガスは北海道ガスが運営する石狩LNG基地からガス導管を通じて供給を受ける。

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図1 石狩湾新港発電所の完成イメージ図 出典:北海道電力

 北海道電力にとってLNG火力発電所の建設は、現在の原子力や水力、石油、石炭などに新たな燃料種を加えることになり、多様化を実現できる。さらに天然ガスは、石油と比べて世界各地に広く存在しているため、供給安定性に優れている点も利点だ。同社の50万kW以上の泊、苫東厚真、伊達、知内、苫小牧・苫小牧共同火力などの大型電源と分散させることで「自然災害などによる設備トラブルの影響を極力減らすため、電力の安定供給の確保につながる」(同社)。

2014年8月から準備工事を開始

 石狩湾新港発電所は、既に2014年8月から土地造成工事や地盤改良工事などの準備工事を開始。今回これらが完了したことでいよいよ発電所本体の建設に取り掛かる(関連記事)(図2)。

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図2 2014年8月から開始された準備工事の様子(クリックで拡大)出典:北海道電力

 今後、発電所建屋の建築工事を本格化させるとともに、ガスタービン、排熱回収ボイラー、発電機などの据付工事を進める。第1号機は、2018年度下期の試運転を経て、2019年2月の営業運転開始を目指す。

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