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水力発電で目指せ2.4億kWh、北陸電力が目標をさらに引き上げ:自然エネルギー(2/2 ページ)
北陸電力の水力発電の増強を目指した中期計画が、達成できる見込みが立った。2020年度までの目標だった発電量1.3億kWhを3年前倒しで達成する見込みで、新たに目標値を1.5億kWhに引き上げている。さらに2025年までに2.4億kWhという長期目標に向け、今後も既設設備の改修や発電所の新設を進める。
水力発電所の新設も推進
既設設備の改修に加えて、水力発電所の新設も進める。北陸電力は2016年4月に、当時グループ全体で27年振りとなる新規開発の水路式水力発電所「片貝別又発電所」(富山県魚津市)の運転を開始した。これに次ぐ新たな水路式の大型発電所を、グループ会社の黒部川電力が新潟県糸魚川市に建設する計画だ。
発電所の名称は「新姫川第六発電所」で、既設の「姫川第六発電所」の取水設備などを活用する。発電出力は2万7500kWで、年間発電量は8500万kWhを見込む。これは一般家庭2万7200世帯分の年間使用電力量に相当する発電量だ。
新姫川第六発電所は2018年7月に着工し、運転開始は2022年4月を予定している。無事に完成すれば、2025年に2.4億kWhという目標の達成に、大きく寄与する発電所になる。
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