「Zune」は健在――デバイスはともかくサービスは
このところネットで「Zuneの死」が話題になっているが、コンテンツサービスとしてのZuneが終わることはないだろう。デバイスとしてのZuneは停滞してしまっているが。
ここ数日、Webでは「Zuneの死」が話題になっている。
わたしが知る限りでは、この話題は多数のブロガーから始まった。彼らは、NokiaとMicrosoftが最近の提携会見で「Zune」という言葉を使わなかったことについて話していた。さらに話題が盛り上がったのは、(米ZDNetの)メアリー・ジョー・フォリー氏がこの件を取り上げたためだ。「MicrosoftがZuneの音楽・映画・テレビ番組配信サービスの終了を決定したかもしれないと懸念している」と同氏は2月15日に記している。「Microsoftは、同社の方策――市場に出ているものでさえ――がすべて長期的な取り組みというわけではないことを示してきた」
Microsoftの広報担当者はフォリー氏に、「われわれはZuneサービス・機能を『終了する』ことはない」と話した。Zuneサービスに引き続き「コミットする」というお決まりのコメントも付け加えている。同サービスはbox LIVE、Windows、Windows Phone 7で利用できる。
ニュースサイトSupersite for Windowsを運営するポール・サロット氏は12日の投稿で、MicrosoftはZuneの機能は維持するが、Zuneブランドそのものは段階的に廃止し、「各種ZuneサービスをWindows Liveに組み込んでいく」だろうという仮説を述べている。
Microsoftが本当にZuneのブランドを変えるかどうか(Windows LiveあるいはXboxのロゴをつけるのかどうか)はさておき、わたしとしては、同社がZuneのメディアハブサービスを段階的に終わらせる可能性は低いと思う。たとえZuneデバイスがiPodから市場シェアを奪えていなくても、Zuneプラットフォームは優れたユーザーインタフェースを備えている。時間と金を投じてそれを作り直す理由があるだろうか。
とはいえ、Zuneデバイスはここしばらく停滞している。Zune HDはAmazonやMicrosoftのオンラインストアでまだ購入できるが、基本的には2009年末に発売されたハードと同じだ。MicrosoftはZuneデバイスのアップグレードを密かに拒んでおり、それがすべてを物語っていると思う。今後はWindows Phoneの(それから、もしかしたらXboxの)Zuneソフトに重点を置くということだ。
Zune HDはよくできたデバイスだと思っているので、少々残念ではある。とはいえ、Microsoftはこのデバイスをユーザーに売り込むことに失敗した。そしてAndroidメディアプレーヤーがたくさん市場に出てこようとしている今、Microsoftが単体の「iPodキラー」を作るチャンスは過ぎ去ってしまったのだろう。
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Zune HDはHDラジオ、HDビデオに対応し、有機ELタッチスクリーンを搭載する。
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