劉邦に学ぶ時間の“補給路”確保戦術【問題編】:シゴトハック研究所
時間が足りない! というのは、ビジネスパーソン共通の悩みでしょう。しかしスケジューリングの工夫によって、時間を生み出すことも可能です。時間の“補給路”を確保する戦術を教授します。
今回の課題
時間が足りない状況をスケジューリングの妙で乗り切るには
タカフミ君 うーん、どう考えても時間が足りない……。どのタスクも今日中に終えないといけないんだけど、無理だなぁ。あと2時間あればもう少しマシなんだけど。
そこへマサヨシ課長が通りかかりました。
マサヨシ課長 2時間あればいいのかね?
タカフミ君 あ、課長。おつかれさまです。うーん、2時間あっても状況はさほど変わらないような気がしますが、あればあったでありがたいですね。このスケジュール、ホントありえないですよ。
マサヨシ課長 どれどれ。フム。ぎっちり詰まってるな。これじゃぁ私でもイヤになる。
タカフミ君 ですよね!
マサヨシ課長 いや、でも工夫の余地はあるぞ。人は見た目にだまされるというからな。
タカフミ君 え、だまされてるんですか?
マサヨシ課長 いかにも。このスケジュール表の見た目に圧倒されて、今みたいに悶々としている時間が無為に過ぎているだろう。
タカフミ君 あ確かに。スケジュールを見ながらどこかに抜け道はないかを探してました。ないのに。
マサヨシ課長 わはは。私もそれはやったことがある。抜け道はないが、時間というのは状況を刻々と変化させるものであるから、今は見えなくても後から見えてくる、ということもある。
タカフミ君 ホントですか!?
この後、マサヨシ課長は、スケジューリングのコツ、すなわちタスクをスケジュールに割り当てていく際のポイントと注意点についてレクチャーします。
マサヨシ課長 ……というわけだ。ところで、項羽と劉邦の話は知っているかね?
タカフミ君 あ、はい。楚漢の戦いですよね。四面楚歌という言葉が生まれた──。
マサヨシ課長 そうそう。劣勢にあった劉邦がいかにして項羽をその四面楚歌に追い込んだのか。そこにはいくつかの要因があるんだが、その1つが今回の問題解決のヒントになる。何だか分かるかね?
タカフミ君 やはり劉邦の人徳でしょう。
マサヨシ課長 フム、それもあるな。だが、決定的だったのは劉邦軍が補給路を確保していたことだ。
タカフミ君 あー。腹が減っては戦ができぬ、と。
マサヨシ課長 いや、違う。仕事のヒントとして注目したいのは、時間を資源として見たときに、後から時間を“補給”できるようにする、という視点だ。
→解決編に続く
筆者:大橋悦夫
仕事を楽しくする研究日誌「シゴタノ!」管理人。日々の仕事を楽しくするためのヒントやアイデアを毎日紹介するほか「言葉にこだわるエンジニア」をモットーに、Webサイト構築・運営、システム企画・開発、各種執筆・セミナーなど幅広く活動中。近著に『「手帳ブログ」のススメ』(翔泳社)がある。
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