麻衣のネットショップ奮闘記 (後編):スマイルサーバなら安心(2/2 ページ)
なんとかEコマースのサイトを立ち上げた工房「彩」。デパートからサイト紹介の話が入ったものの、サイトのセキュリティを説明するはめに。志保に相談する麻衣。そこで出たアイデアとは──。
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「あ〜う〜」
情報は集まった。さてどんなふうにメールにまとめるか。何とかネットショップ彩のURLを記載してもらいたい一心で、ない知恵を絞る麻衣は事務机にアゴをつけてうめいた。ちょうど午前の講座が終わり人が出てきたのか、事務所の周りが騒がしい。
「藤波さーん、打ち合わせにきましたよ……って。何てかっこしてるんですか!」
寝不足のはれぼったい目で、アゴでカラダを支えるという麻衣の姿勢に笑いがとまらないのは、足立さんである。
「足立さーん、セキュリティを説明するメールって、こんなのでどうでしょうかね?」
麻衣は「セキュリティ対策」「サーバ設置環境」などの単語を並べて検索した結果として、スマイルサーバには標準サービスとして「メールセキュリティ機能」が備わっていること。専任技術スタッフによる24時間365日常駐運用監視が受けられることなど、FAQから見つけたことを説明していく。
結局、泊まり込みで書き上げた説明メールが効いたのか、新聞折り込み広告やコーナーで配布されるミニパンフレットに工房のホームページとネットショップは紹介してもらえることになった。プロのカメラマンに撮影してもらった、鮮やかなトンボ玉と一緒に並ぶ「彩」の文字。麻衣のやる気にも拍車がかかる。
「さあて、出展までは1カ月しかないんですよ。先生たち、キリキリ販売グッズを作ってください。怠けたら承知しませんよ!!」
デパートと交渉の末、展示&販売が決定したアイテムリストを片手に、作家を追い込む麻衣の姿はそれからしばらく工房の名物となっていたことを、本人は知らない。
約1カ月間、週に数回は商品の補充とチェックを兼ねて、出展ブースに足を運んだ麻衣は、その成果になかなかの手ごたえを感じていた。繊細な花びらの装飾が施されたトンボ玉のかんざし、ブドウ玉と呼ばれる小さな丸い球で作った携帯ストラップなどは順調な売れ行きで、工房やネットショップについて、その場で質問されることもグっと増えたのである。
「見たわよー。麻衣がスーツ着てるのって卒業式以来じゃないの?」
「相変わらず志保は言いたい放題ねえ。わりと評判良かったのよスーツ姿、って自分で言うのもおかしいけど。立ち寄ってくれたのに声をかけないで帰っちゃったの?」
どうやら志保は、麻衣がスーツ姿で窮屈そうになれないレジを扱うのを、こっそり見に立ち寄ったらしい。その場では声をかけずに、こうしてわざわざ電話してくるあたりが志保らしいと麻衣は思わず笑った。
「おかげさまで、工房の見学希望も講座受講者も増えているし、何よりもネットショップのアクセス数がものすごいのよ。まぁ、やたらに商品を増やすと、写真撮影から発送まで私ともう1人ぐらいしか担当者がいないからね、これ以上規模を広げるつもりはないんだけど……。トンボ玉とバーナーワークって知らない人が多いんだなぁって実感させられちゃった。自宅でも簡単にできる趣味なんだけどね、バーナーワークは」
店頭で何度も「このガラス玉」だの「ビーズ」と呼ばれたことが、いまだに気になる麻衣は、思わず志保にそんな愚痴をこぼした。
「だったら、広告出してみたら?」
「広告ぅ!?」
ネット広告を展開せよ!
「何も大きなポスターを出せとか、雑誌に掲載しろって言うつもりはないんだから、そんな大声出さないでよ。ネット上のお店なら、ネット上で広告を出すのはどう? 麻衣だってバナー広告を見てクリックしたことあるんじゃないかな」
もちろん広告の出し方など知るわけもない麻衣。志保の言葉をヒントに、お得意の「FAQで検索」をさっそくやってみると、スマイルサーバと提携している企業に広告を出してくれるサービスがあるらしい。工房に相談してみれば、サイトの売り上げからまかなえる範囲なら、あとは相変わらず「あなたに任せるよ」という回答だ。
さすがに画像の広告を出すほど「彩」の売上規模は大きくない。20代〜30代の女性にもう少し、ガラス製品やバーナーワーク、トンボ玉といったアイテムに興味を持ってもらい、日常に取り入れて欲しいというのが広告を出す目的だ。予算と相談の上で麻衣が選んだのは「ECナビ ターゲティングメール」。こちらの希望するターゲット層に限定してメール広告を出してくれるというサービス内容だ。
集客アップサポートのご紹介
アクセス数を増やしたい方、もっと検索結果の上位に表示させたい方向けに提携会社の協力を得て以下のようなメニューもラインアップしています。
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「うーん……ターゲティングメールを依頼してから、まだ数日なんだけど」
画面をじーっと見つめながら麻衣は、ブツブツと独り言を口にした。麻衣が思い描いていたターゲット層は、予想以上にトンボ玉というアイテムに興味があった様子。おまけに元々バーナーワークの経験がある読者からは、
- 「ガラス棒を個人で買うのは大変なので、ショップで販売して欲しい」
- 「離型剤がうまくいかず困っている。お勧めのものがあったら教えてほしい」
など、トンボ玉に関する質問が「彩」のメールアドレスに届くようになったのだ。反応があれば自然と気合いも入る麻衣。さっそくスマイルサーバのサイトで散々お世話になったFAQの彩バージョンを作ってみたり、普通はまとめ買いしかできないガラス棒を、ネットショップ彩で個人向けに単品販売を始めたり、やることは山のようにある。
FAQだけではない、掲示板も付けたホームページで丁寧に質問に回答したり、講座のキャンセル状況を逐一報告する麻衣は、いまやすっかり工房の看板だ。最近では「Eコマースの達人」なんてニックネームまでもらってしまった。もちろんからかわれているのは承知の上だが、実はちょっとこの名前を誇らしげに麻衣は思っていた。
「Eコマースのたつじ〜ん、ちょっと電話取って」
「あ、Eコマースの達人だ。ねぇ、この箱重いからどけてくれない?」
「ちょっと先生方、それEコマースと全然関係ないじゃないですかっ! まったくもう失礼しちゃうな」
笑いながら、ガラスでずっしり重たいバケツを持ち上げる麻衣。今日もまだまだ彼女のお仕事は残っているようだ。
提供:NTTスマートコネクト株式会社
イラスト:哉井 涼
制作:ITmedia Biz.ID編集部/掲載内容有効期限:2006年12月31日
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