成果を出し続ける仕組みを作るには?【解決編】:シゴトハック研究所
時間割を作るのは1つの“方法”。その一階層上に上がって方法を作る“考え方”に目を向けてみましょう。ポイントはゴールからの逆算です。
今回の課題
今回の課題:成果を出し続ける仕組みを作るには?
コツ:ゴールから逆算する
前回と前々回では、自分で決めた原則を守りやすくするための「時間割」の概要と、時間割に沿って仕事を進めるための方法をご紹介しました。
「時間割」そのものは仕事をスムーズに、そしてストレス少なく進めるための仕組みの1つであり、手段といえます。となると「時間割」にこだわらなくても、自分にとってスムーズでストレスフリーな方法であれば、手段は問われないことになります。
そこで、今回は時間割からは少し離れて、その一階層上に位置する「仕組みを作る」方法について考えていきます。
「やり方」を真似るのではなく「考え方」を真似る
問題編で、マサヨシ課長は「誰かのいい方法をそのまま真似しない」という姿勢について言及しています。では、何を真似すればいいかといえば、方法の原点にある考え方です。考え方を真似る、というと難しく聞こえるかもしれませんが、ちょっとしたコツがあります。それは、
- 「要するに何を目指しているのか」(ゴール)に目を向ける
ことです。
例えば、「タクシーを利用することによって、仕事をするための時間と空間が確実に得られる」という方法について考えてみます。この時、方法を真似るだけなら簡単です。今まで電車を使っていたところをタクシーに切り換えるだけですから、お金を払えば実現できます。
一方、考え方を真似る場合はどうなるでしょうか。根底にあるのは、
- 「勉強や仕事をするための時間と空間を抜かりなく確保したい」
というゴールでしょう。電車を使う場合は、座席を確保できないかもしれないというリスクがありますし、ラッシュの時間帯であれば、立っているだけで精いっぱいで何もできないこともあるでしょう。このようなリスクをヘッジするための手段として、タクシーの利用が位置づけられるわけです。
でも、人によってはタクシーの利用は費用対効果の面で見合わない、と判断することもありえます。そこで、
- 「勉強や仕事をするための時間と空間を抜かりなく確保したい」
というゴールはそのままに別の手段を考えてみます。
例えば、自転車を利用するという方法はどうでしょう。パソコンは使えないかもしれませんが、オーディオブックなどを利用して「耳学習」はできそうです。しかも、運動不足解消にも役に立つでしょう。これはタクシーでは実現できないことです。
方法については賛否両論があるかもしれませんが、大事なことは、表面に現れる方法だけでなく、その根底にある考え方に目を向けることです。
- 「要するに何を目指しているのか」(ゴール)に目を向ける
のです。その上で他の人のやり方を見て、
- 「そういう風に考えるのであれば、自分ならこういう方法がある」
という、自分の中から方法を掘り出すためのきっかけにするわけです。
ゴールから逆算する
タクシーと自転車の例を挙げましたが、タクシーから自転車を思いつくことができたのは、最初に、
- 「勉強や仕事をするための時間と空間を抜かりなく確保したい」
というゴールありきで出発したからでしょう。これによって、このゴールに近づける手段かどうか、という基準が得られますから、おのずと有効な手段は絞られるわけです。
つまり、ゴールから逆算すれば早い段階で余計な選択肢を減らすことができるわけです。
余計な選択肢を減らすことで、迷う時間を減らすことができるのです。迷う時間が増えると、その分だけストレスが生じることになります。「あーでもない、こーでもない」と神経を使う時間が増えるからです。
すると、
- 「判断におけるストレスを減らしたい」
というゴールの存在に気づくでしょう。筆者は、ここから、
- 「他人とミーティングの約束をする際のスケジュール調整のストレスを減らしたい」
という別のゴールを掘り当てました。その結果、他人とのアポイントは火曜日と水曜日と木曜日の13:00〜18:00の間に限る、という原則を作るに至りました。もちろん、緊急の場合はやむを得ないのですが、それ以外は、この原則に沿ってアポイントを入れていけば、月曜日と金曜日の終日、および平日の午前中はすべて自分のために使えることになるわけです。
以上、成果を出し続けるための仕組みを作る方法を2つご紹介しました。これらを活用して「別の方法」を掘り出すきっかけにしてみてください。
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