仕事のスピードを上げるには?【解決編】:シゴトハック研究所
スピードを上げて仕事をこなしていくには、日々の業務で繰り返されるパターンを見極めることが重要です。筆者自身の経験から確立されてきたパターンを見てみましょう。
今回の課題
今回の課題:仕事のスピードを上げるには?
コツ:繰り返されるパターンを見極める
シゴトハック研究所では、これまでにも仕事のスピードを上げるための方法について考察を重ねてきています。例えば、次の2つです。
記事名 | 内容 |
---|---|
続・「自分との約束」を守るには? | 「自分専用の時計」を用意する(2007年12月7日の記事参照) |
ルーチンワークを加速させるには? | 「マイペース」と「ハイペース」を知る(2007年12月14日の記事参照) |
今回は視点を少し変えてあらためてこの問題に取り組んでみます。
仕事のスピードを上げようと思えば、真っ先にするべきことは、考えたり迷ったりする時間を減らすことです。例えば車を運転する場合、せっかくスピードに乗って走っていても、道を間違えたり迷ったりすれば、元来た道を戻ったり「リルート」することになり、時間のロスを生んでしまいます。カーナビが便利なのは、こうしたロスを最小化してくれるからでしょう。常に「ゴールまでの一本道」をガイドしてくれるのです。
仕事においても、その日の仕事をすべて終えるための「一本道」をいかに見いだし、ここから外れないように走り続けるかがトータルでのスピードアップを実現する上では欠かせません。
では、仕事において考えたり迷ったりする時間が発生するのはなぜでしょうか? 次の3つの理由が考えられます。
- 時間が空くと手順を忘れてしまう(月の1回しかしない作業など)
- 手順が複雑なために忘れる(パターンに気づかない)
- 手順が毎回変わるために迷う(パターン化できない)
いずれも手順にかかわる問題といえます。それぞれ見ていきましょう。
頻度に注目する
例えば、月に1度の頻度で発生する仕事は、月に1度しか巡ってこないがゆえにその手順を覚えておくことは、毎日のように行っている仕事に比べると難しくなります。毎日のように使い込んでいるメールソフトの操作で迷うことはなくても、月末にしか起動しない経理ソフトや数カ月に一度起動するかどうかという画像処理ソフトで戸惑ってしまうのは無理からぬことといえます。
こうした時間間隔が空きがちな仕事(あるいはツール)については、やるべきことを個条書きにしたリストや、よく使う機能の操作手順メモを用意しておくことで、このメモがガイドとなって迷うことなく進めることができるでしょう。
また、毎日欠かさず行うことであっても、一直線に並びにくい仕事については同様に取りかかる順番に作業を並べたリストを用意しておくことで、迷うことなく欠かさず漏れなく行うことができます。
例えば、次のようなリストです。
- 朝出社してから仕事を始めるまでの間にやるべきことリスト
- メールを送信する前に目を通すべきチェックリスト
- 金曜日の夕方に翌週にすべきことやアポイントを確認するための手順
いずれも筆者自身がリスト化しているものばかりです。このうち3つめの手順は以下です。
*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***
パターンに注目する
次に注目すべきはパターンです。パターンとは、一見すると複雑に見える手順の中に埋もれている、ほかの仕事にも共通する部分のことです。
例えば、企画書を作る、報告書を作る、プレゼン資料を作る、という3つの異なる仕事を考えたときに、そこには次のような共通したステップがあるはずです。
- その資料の目的(ゴール)を決める
- その資料に盛り込む内容を決める
- 構成を決める
- 構成要素ごとに内容を作っていく
- 見直しをする(完成)
もちろん、それぞれの仕事に特有のステップやチェックすべき項目もあるでしょう。でも、大まかに言えばこの5つのステップがあり、それぞれのステップを順番にこなしていくことで、仕事は進みます。これらのステップが意識できていれば、仮に仕事が行き詰まったとしても、
- 今はどこのステップにいるのか?
- なかなか進まないのは何が足りないのか?
- 直前のステップがきちんと終わっていないのが原因ではないか?
といった自己診断を通して、打開策を見いだすことができるはずです。必要以上に大げさに考えたり、深い悩みのふちに陥ることは減るでしょう。
なお、上記の5つのステップは筆者自身がこれまでの仕事を通して確立したものであり、継続的に手を加えているものです。実際の仕事を通して、この5つのステップを自己診断ツールとして鍛え続けている、といえます。1回1回の仕事において、うまくいかなかったことは次回は改善できるように、あるいは予想以上に成果が得られたことは次回も再現できるように、パターンに落とし込むようにするわけです。
このような取り組みを続けることで、少しずつではありますが、確実に仕事のスピードを上げていくことができるはずです。
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