本を読むときは角を折るのだ:シゴトハッカーズ(3/3 ページ)
本を読んだが内容が身に付いていない。そんな人にお勧めする読み方が、角折りと付せん。でもただ折ったり張ったりすればいいわけではなく、テクニックがあるのです。
目にしなければ頭には入らない
一部特殊な記憶力を持つ人を除いて、一度読んだだけで本の内容を覚えてしまったり、あるいは読んだすべての本のことを記憶したりするのは不可能です。現実的に可能なことは、自分にとって大事なことだけは、なるべく頭に残すように努めることでしょう。
そのための方法は、ありきたりかもしれませんが、やはり記憶の心理学が教えるとおり、覚えたいものは何度もインプットするのが最善です。
とはいえ、同じ本を何度も読み返すのは、それはそれで大変ですし、しかも今はどんどん新刊が発売され、そっちの方が気になります。ですから、なるべく読み返す量は絞りつつ、どうしてもというところだけを、あまり苦労せず読み返せる仕組みに頼りたいところです。
筆者自身が採用しているのは、「付せん+携帯で写真を自分にメールする」という、至って安易な方法です。付せんを張るのは簡単ですし、付せん個所を携帯で写真に撮るのも、難しい作業ではありません。
それでも、そんな行為ですら量が増えれば面倒です。そこで、撮影するページを制限する工夫が必要です。そのために、赤い付せんを張ったページしか、撮影しないようにします。
付せんを張るときに一瞬考える。そして撮影のときに少し読む
そうすれば、付せんを張るときに一瞬考えるようになります。付せんを張っておきたいが、写真を送る手間をかけるほどのところかどうか? そうでもないと思えば、赤以外の付せんを使えばいいわけです。
これだけでも、赤の付せんが張ってある本には時々注目するようになります。ちょっと手を休めて、その気になれば、撮影もします。撮影するときには少しだけ読みます。また、その写真は自分にメールされます。そのメールを処理するときにも、また少しだけ目にします。
このように、あちこちで、いろいろな機会に少しでも目に触れることによって、「あ、ここには面白いことが書いてあった!」と思い出すことができます。こうすれば丸々一冊読み返すことなく、またあまり意識的に努力することもなく、自分が読み返したいと強く思うところだけを、何度も見返すことができるわけです。
データベースで整理しても、しっかりした検索システムを用意しても、頭に入れたい文章は、結局読み返すしかありません。現時点で現実的な方法は、電車のつり革広告のように、これといった苦労をせず、読み返したい部分だけは、目に入ってきてしまうように、仕組むことだと思います。
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