通勤電車で締め切りを強制的に作るのだ:シゴトハッカーズ(3/3 ページ)
何かを習慣にしようと思っても普通は挫折しますよね。うまく軌道に乗せるには、身近な制約を活用してみましょう。たとえば通勤電車とか。2人の達人が体験を語ります。
新しい習慣は古い習慣に組み込む
英語のリスニングやオーディオブックによる勉強など、何か新しいことを習慣にしようと思ったら、「古い習慣に組み込む」というのが非常にうまい方法です。
通勤時間というのは特にいろいろな制約があって、ある特定の行動しかとれないようになっているので、この時間を活用して、勉強や自己啓発にいそしむことができるのであれば、これはかなり有意義な時間の過ごし方になるでしょう。
古い習慣に新しい習慣を組み込むという方法がうまくいくのは、わざわざあらためて勉強や読書を新しい習慣として確立しなくても済むからです。
何か新しいことを始めようと思ったとき、人は環境設定から丸ごと新しく作り上げようとしますし、そうしなければならないこともあります。
例えば、フィットネスクラブに通うという習慣をあらためて打ち立てようと思うと、まずフィットネスクラブに入会し、お金を払って、今まで全く存在していなかった一定の時間、60分〜120分を捻出(ねんしゅつ)し、少なくとも習慣になるまでは意識的にフィットネスクラブに通う必要があります。
こうした行動を、あらためて行おうとすると、条件が不利になったとき、例えば外がとても寒いとか、雨が降っている日などがきっかけとなって、挫折しやすくなります。
しかし、すでに習慣として根付いている行動の場合、その行動が挫折するという可能性は極めて低いものです。
例えば、毎日散歩をする習慣のある人は、おそらく寒いとか、雨が降ったという理由によって散歩をやめる日があったとしても、散歩の習慣そのものが消失してしまう可能性は低いでしょう。
したがって、散歩という習慣がすでに成立しているのであれば、散歩中にオーディオブックを聞く、という活動を追加することにより、オーディオブックを聞く習慣をも成立させやすいのです。
同じように通勤時間というのは、必ずしも愉快な習慣ではないかもしれませんが、それが何年も続いているものであれば、いきなりぷつっと消えてしまったりすることはまずありません。その通勤という習慣の上に、新しい習慣を乗せようとすることによって、あらためて自分の習慣を追加するということが可能になります。
ただ、どれほど「古い習慣に新しい習慣を組み込むのがよい」といわれても、その古い習慣をどう見つけたらよいのか、と問う人もいるかもしれません。つまり、自分には新しい習慣を乗せる土台となる古い習慣など、何も見つからないというわけです。
しかし、実際にはそんなことはあり得ません。
人間というのはほとんどあらゆる時間帯を、何らかの習慣によって過ごしているものです。食事をするのも習慣のようになっているはずです。歯をみがく、夜眠る、いずれも習慣的に行われています。
実際、私たちは生活の90%以上を習慣的に過ごしているのですから、新しい習慣を乗せるための古い習慣というものを見いだすのは、決して難しくはないはずです。
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