通勤時間を利用した「続ける」方法【チュートリアル編】:シゴトハッカーズ
通勤時間を利用すれば、なかなか続かない勉強などを継続させるうまい手が打てます。“通勤電車というベルトコンベア”を活用してはどうでしょうか。
通勤電車を「続ける場」として活用するにあたっては、次の3つの視点でとらえ直すことが第一歩となります。
- ベルトコンベア
- タイムリミット
- 自動引落
まず、毎日の通勤というのは何もしなくても継続的に流れていくベルトコンベアのようなものですから、ここに続けたい習慣を乗せるようにするといいでしょう。
そういう意味で、自分が日々追いかけているテーマに関する本、あるいはかかわっている業務に関する本など、継続的にインプットすべき本を読んだり、本を読めない状況であれば、オーディオブックを聴いたりすることです。逆にいうと、継続性のない、一時的な必要にかられて行うインプット作業は、カフェなどでイレギュラー(不定期)に行うようにします。
次に、通勤であるからには毎日だいたい同じ時間がかかるでしょう。ということは、電車に乗ったら降りるまでの時間は毎日ほぼ一定、ということです。例えば、乗車時間が20分間だとすると、20分後には必ず下車というタイムリミットがやってくることになります。
こうした一定サイズの「時間ブロック」が毎日欠かさず提供されるわけですから、毎日欠かさず続けたいことがあれば、それをこの「時間ブロック」の大きさに切り出して電車に持ち込めば、ほかに特にすることがない限りは、できるはずです。しかも、時間が限定されていることで、おのずと集中力も高まります。
最後に、通勤時間という“出費”は毎日欠かさず発生します。お金でいえば自動引落(あるいは天引き)のように好むと好まざるとにかかわらず生まれては消えていくのです。この時間を積極的に使おうとするか、流れるに任せるかで、“ベルトコンベア”の行き着く先が変わっていくでしょう。
オーディオブックを聴く
通勤電車では、本を読む以外にオーディオブックを聴く、という選択肢もあります。特に本が読めないほどに混雑した車内であれば、オーディオブックは時間を有効に過ごすツールとなります。
オーディオブックの入手先としては、日本ではFeBeが有名です。提供コンテンツも豊富ですし、ダウンロードしてすぐに聞くことができます。CDなどで提供される場合、PCに取り込みをするという一手間がかかる分、少し敷居が高くなるのです。
ダウンロードしたオーディオブックは、そのままPCで聴くのもいいですが、やはりiPodなどの携帯型プレーヤーに転送して、場所を選ばず聴けるようにしたほうがいいでしょう。おすすめは、iTunes経由でiPodに取り込むこと。
FeBeでは、以下のように丸々1本を1ファイルでダウンロードすることもできますし、章ごとなどの単位で分割されたファイルとして取り込むこともできますが、どちらかというと後者の分割して取り込む方法をおすすめします。オーディオブックは長いものになると8時間を超えることもあり、1ファイルとして扱うには何かと不都合が多いからです。例えば、途中まで聴いていたのに誤操作によって次の曲に送ってしまうと、元の場所を頭出しするのに大変な手間と時間を浪費することになります。
分割することで、もう一度聴きたい章があれば個別に「レート」をつけることで区別できるようになります。
オーディオブックを聴いている途中で、一時的に聴くのを中断したくなることもあるでしょう。そのような時は、言うまでもなくプレーヤーの一時停止ボタンを押せばいいのですが、混雑した車内では思うように身動きが取れず難儀するかもしれません。しかも誤操作を防止するためにホールド状態(ボタンを押しても操作を受け付けない状態)になっていれば、なおさらです。
そのような時は、iPod本体からイヤフォンを引き抜きます。こうすることで、自動的に再生が中断し、一時停止状態になります。ヘッドフォンやイヤフォンを耳から外してしまえば済むことですが、後で中断したところから続きを聴くために、やはり聴いているところで一時停止したいものです。イヤフォンを引き抜くことで、この要求を満たすことができます。
ちなみに、一時停止した状態から再開するには、通常のボタン操作で再生ボタンを押す必要があります(イヤフォンを差し込んでも一時停止のままです)。
さらに、一時停止したうえで、気分転換がてら音楽を聴きたい、と思ったとします。別の曲に移るわけですから、当然オーディオブックの再生位置はリセットされてしまいます。筆者は、これを防ぐために、もう一台、音楽を聴く専用のiPodを用意し、勉強用のiPodとは別に持ち歩いていましたが、2台のプレーヤーを持ち歩くのはあまりスマートでなく、取り回しも面倒なため、悩んでいました。
そんな折、FeBeを運営するオトバンク社の上田社長より、曲ごとに「再生位置を記憶する」オプションを設定できることを教えてもらいました。これを設定しておくことで、オーディオブックを聴いている途中で音楽を聴きたくなっても、後から続きを聞くことができるようになります。
勉強の習慣は、ちょっとしたことで崩れやすいもの。ほんの少しの手間が継続を阻むのです。今回の筆者の例でいえば、オーディオブックを聴くには音楽専用のものとは別にもう1台のiPodを持ち運ぶ必要がある、というだけでげんなりしており、正直なところ、「今日はやめておこう」ということでサボってしまう(=勉強用のiPodを持ち出さない)日もありました。
それが、上記の「再生位置を記憶」のオプションを知ってからは、オーディオブックと音楽を1台のiPodに収めることができるようになり、悩みが解消したのです。
物事を続けようとするなら、どんなに小さな障害でも確実に取り除き、そしてちょっとした改善の工夫を怠らないことが大切です。
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