「ドリルじゃなくても穴は開く」を気付かせる質問とは?:明日から試せる「質問のコツ」(2/2 ページ)
「ドリルを買おうとしている人は、ドリルが欲しいのではなく、穴を開けたいのだ」――知りたい情報を聞き出すためには、相手にとって“気付き”のある質問をすることが重要だ。
「営業のセールストーク」と「コンサルタントのヒアリング」の違いとは?
営業のセールストークとコンサルティングのインタビューはどう違うのかという質問に、「顧客に対して何かを提供するという意味では同じ」と日立コンサルティングの伊藤雅彦氏は答えた。「ただし、営業には3種類の人がいると考えている」
「まずは、売れない営業。次に、自社の製品なら売れる営業。最後に、客のためになるなら、他社の製品でも売ってしまう営業」。伊藤氏によれば、コンサルタントの仕事は最後の「他社の製品でも売ってしまう営業」に最も近いという。
先ほどの例で言えば、「とにかくドリルを売りたい、ドリルが売れさえすればいい」という営業は、「ドリルじゃなくても穴は開きますよ。そもそも穴を開けなくてもいいかもしれません」という提案はしないだろう。
しかし、そこで本当に客の立場になって考えるならば、ドリル以外の製品を提案するという選択肢が出てくる。ドリルを売れず、そのとき大きな利益を得られなくても、それによって客と信頼関係が築ければ、長期的な付き合いからより大きな利益を上げられるというわけだ。
「コンサルタントは、製品やサービスを売るのではなく、まず自分自身を売り込む」(芦辺氏)
- 言葉や見た目の裏側にある、クライアントの“本当のニーズ”を想像する
- そのニーズを解決するための質問をして、クライアントと長期的な関係を築く
この2つの手順を実践することで、相手に“気付き”を与える質問ができるわけだ。ただし、そのためには相手の立場になって考える必要がある。どうすれば顧客目線に立てるのか。相手の立場を理解するとは、具体的にどんな考え方をすればいいのか。次回は「夫婦喧嘩を収める方法」を例に、「手の立場になって考える」方法について紹介する。
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