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GTDは難しい? 「この作業をマクロに設定しておけば楽だろうな」に似ている今ならできるGTD

「GTDはとっつきにくい」「GTDのここが分からない」といった感想をよく聞きます――。GTDのバイブル『Getting Things Done』を再翻訳した『はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』の監訳を担当した田口元さんがGTDの実践法を解説します。GTDはとっつきにくい、分かりにくいと思っていた人、必読です。

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 「GTDはとっつきにくい」「GTDのここが分からない」といった感想をよく聞きます。実は筆者も以前から、GTDには分かりにくい部分があると思っていました。

 少々以前の話になりますが、2008年6月にはGTDの提唱者であるデビッド・アレンさんが来日しました。この時、筆者はセミナーの通訳を務めたり、インタビューを行ったりして、GTDの分かりづらい部分について筆者なりの理解を深めました。

 12月24日には、GTDのバイブル『Getting Things Done』を再翻訳した『初めてのGTD ストレスフリーの仕事術』が発売になりました。こちらの監訳も筆者が担当しています。こうした経験をもとに、GTDの理解をさらに深めることができました。

 そこで今回の連載では、従来の説明では分かりにくかったGTDの実践法を解説していきたいと思っています。

GTDは難しい?


『初めてのGTD ストレスフリーの仕事術』(二見書房)

 GTDはシンプルな考え方ですが、正直に言うと、実践が簡単だというわけではありません。「GTDはとっつきにくい」と言う人が多いのも事実です。その最大の原因ははじめるのに時間がかかりすぎることでしょう。

 やはり収集のステップには数時間から数日かかるのが普通です。頭の中にやるべきことがたまっていたり、机のまわりがごちゃごちゃしている人ほど時間がかかるでしょう。「たった30分でできる〜」といった本が売れるこの時代においてはハードルが高いのは間違いありません。

 「GTDの考え方は分かったけど実践するのはまた時間ができた時に」という人も多いのではないでしょうか。GTDを実践することで将来の時間が節約できると頭では分かっていても、腰を上げるのが億劫……という人に出会ったのも1人や2人ではありません。

 そこでデビッド・アレンさんに「収集のステップをもっと簡単にして、とっつきやすくできるでしょうか」と聞いてみました。しかし答えは残念なことに「ノー」でした。この収集のステップでは「すべての」気になることを集めないといけません。個人差はありますが、やはりある程度の時間をかけないとその境地に至るのは難しいようです。

 ただ、こうしたハードルがありつつも、GTDを実践したあとの効果はやはり素晴らしいものです。この体験はPCの操作でショートカットマクロを設定した時の気分によく似ています。

 PCで作業をしていて、「この作業をマクロとして登録しておけば楽だろうな、でも、今は忙しいからいいや」という経験をしたことがある人も多いでしょう。しかしある日、意を決してマクロを設定した時の気分はどうでしょうか。これからあの面倒な作業に煩わされることはない、という解放感と同時に、「時間がかかるかと思っていたけどそうでもなかったな」とも感じたはずです。

 GTDも同じです。時間がかかりはしますが、終わったあとの圧倒的な解放感と「終わってみればたいしたことなかったな」という実感を味わうことができるはずです。

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