ただ気持ちの赴くままに体験を求め、引き寄せていくことが「たぐる」ではありません。せっかくですから、もう少しだけ意識的にアタマとカラダを動かしてみましょう。アイデアパーソンは日々、練習です。
「たぐる」という体験・知識を自分ごと化する技は、さらに4つの小技に分解できます。
- 「ぶつかる」
- 「思い出す」
- 「押さえる」
- 「ほる」
区別の仕方を図示するとこうですね(下図)。偶然/意図的(By chance/On demand)の軸、そして知らなかったこと/知っていること(I don't know/I know)の2つの軸で「たぐる」を4分割した格好です。
前回の「たぐる」を分解すると、こんな感じになります。面白いのは、4つの「たぐる」は順序もバラバラで行ったり来たりの自在なつながりを見せているところでしょうか。
例えば、
小技 | ケーススタディ |
---|---|
「ぶつかる」 | マンガのコミックで「ナポリ仕立て」を知る 某県のすごい爪切り、との出会い |
「思い出す」 | 自分の爪切り習慣と、恥ずかしい出来事 |
「押さえる」 | 裁ちばさみをインターネットで検索 |
「ほる」 | 爪切り頻度を人に聞きまくる |
「ぶつかる」「思い出す」「押さえる」「ほる」のそれぞれについては次考以降で詳しく触れていきますが、まずはなんとなくの雰囲気だけでもつかんでみてください。
編集部から
今回の先読み『アイデアパーソン入門』、いかがだったでしょうか? 漠然としていた「たぐる」がちょっと近づいてきた感じがしませんか。「ぶつかる」「思い出す」「押さえる」「ほる」。これらの小技は恐らくそれほど難しいことではありません。普段からやってる、という人もいるはずです。意識してやっているか、やっていないか、プロフェッショナルなアイデアパーソンになるための境目はその辺りなのかもしれませんね。
次回の先読み『アイデアパーソン入門』は「『ぶつかる』――『たぐる』小技その1」です。お楽しみに――。
関連記事
- 先読み『アイデアパーソン入門』
- 第10回 SCAMPER――発想を練り上げる合言葉
全く新しいアイデアを思いつく必要はありません。既にあるものを見直すことで、見えてくるものもあるはず。アイデア出しが必要になったらこのリストを使ってみましょう。 - エクスカーション――ノート1つで100個以上のアイデアを出す方法
さんざんアイデアを考えて出しつくして、もう出ない。そんな状況から、ノートとペン1本だけで、普通の人が更に100個のアイデアを創り出す具体的な方法を紹介しよう。 - SCAMPER法――「10分以内にアイデア3つ出さなきゃ」をかなえる方法
午後から新製品を考える会議。ふと、メールを見返すと「1人3つアイデアを持ってくること」という指示――しまった、見落としていた。しかし会議まであと20分しかないぞ。こりゃまずい。 という時にうってつけの方法がある。 - TRIZ――10分以内に「それ、どうやって実現するか」を思いつく方法
問題解決の会議や現場で、相当難しい問題に出くわすことがある。「こりゃ簡単には、アイデアが出ないぞ!」――そんな時に効果的な発想法を紹介する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.