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“Not To Do”を用意するのだシゴトハッカーズ(5/5 ページ)

「○○をしない」というNot To Do。「最後までやり抜かない」など“しないこと”も含めて、毎朝チェックするといい10項目を用意しました。今年1年のお供にどうぞ!

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10項目に共通すること

 対談中の10項目は、全体として目指すべき方向性を持っています。それは、

  • 行動の切り替えをより容易にすること
  • 持久力を保つこと
  • 活動全体に連続性をもたらすこと

 の3点です。

 行動の切り替え時というのは、記憶想起、緊張感、疲労の自覚など、「転落しやすい状態」にあります。ですから、なるべく切り替えポイントは少な目に、切り替えるときは短い時間に簡単に切り替えられるほどよいのです。その意味で、しょっちゅうメールチェックするなど仕事中にわざわざ切り替えポイントを増やす法はありません。

 「思いつきをキャプチャーする仕組み」や「本の序文と後書きを読む」といったことも、行動の「出だし」にあたる切り替えポイントを、より楽に乗り切るライフハックです。ここでつまずくことが多いからこそ、ここを楽にしておくと、より多くの活動をスムーズに行うことができるのです。

 また、「連続して仕事しない」とか「最後までやり抜かない」といった小技は、持久力を保つための方法です。現代の仕事は、マラソン並みの「長距離走」であり、しかも「障害物競走」さながらの長距離アスレチックです。当然持久力も必要になってきますし、ここでもやはり「ポイント」が少ないほど有利に進められるわけです。

 また、ほぼ全体を通していえることだと思いますが、切り替えを少な目に、切り替えを楽に、そして燃え尽きてしまわないようにする配慮は、行動の連続性を保つという方針の表れです。

 同じ人間が活動を進めているのですから、そこには時間的な流れの中で何らかの「連続性」があるはずです。人と会って打ち合わせをし、それから交通費の精算をし、その後に企画書をまとめ、プレゼンの準備するというように、全体の行動にあまり連続性が感じられないような日を過ごしたとしても、やはりそこには連続性があるはずです。その連続性があまり感じられず、たくさんの分断されたタスクを機械のようにこなしている日が続くと、精神が消耗します。そうした消耗はなるべくなら避けるべきです。いわゆる「マルチタスク」が多く、並行作業を短時間でどんどんこなさねばならない人であれば、なおのことです。

 コンピュータであれば、機械的にタスクを「スイッチ」していけばいいかもしれません。休憩も不要でしょう。仮に「壊れて」しまっても買い換えればすんでしまいます。しかし、人間はそうはいかないのです。

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