「怠け者」「脱落者」――うつ患者8割「職場に偏見ある」
QLifeは、「職場のうつ」に関する調査を実施し、“偏見と本音”をテーマにリポートをまとめた。うつの通院治療中の8割の人が「職場に偏見がある」と答えた。
QLifeでは、全国の上場企業勤務者を対象に「職場のうつ」に関する調査を実施。今回“偏見と本音”をテーマにリポートをまとめた。有効回答者数は300人。
「あなたがうつ病になる可能性はあると思いますか」という質問に対し、診断経験も症状経験もない人でさえ、「うつ病になる可能性は、まったくない」と言い切る人は15%にとどまった。しかし、「身近に治療経験者がいるか否か」で回答者を分類すると傾向は大きく分かれる。家族や親しい友人に治療経験者がいる人は、48%が「自分がうつ病になる可能性は、大いに/ややある」と答える一方で、近親者に経験者がいないと74%が「あまり/まったくない」と回答した。
調査によると、うつの通院治療中の8割の人が「職場に偏見がある」と答え、特に女性の患者が強く偏見を感じる傾向にある。偏見の内容としては、「怠け者」「わがまま」などのほか、「出世レースから外れ」「重要な仕事が与えられない」「脱落者」など“職場のうつ”に特徴的な回答もあった。「うつ病が快復しやすい職場像」としては、「快復したら復帰できると思える職場」「(過保護と思われるほど)周囲が“優しい”」といった意見が出た。
うつ病の経験がない人の5割が「うつ病の人とは一緒に仕事しにくい」と回答。経験ある人でも4割、現在治療中の人でも3割が「(ほかのうつ病の人とは)仕事しにくい」と考えている。その理由として最も多かったのが「気を遣わなければいけない」(28%)。このほか「多く/突然休むから」「任せられない」「意思疎通不能」などの理由が挙がった。
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