飲み会で話を盛り上げる2つの気配り:人を動かす話し方講座
大勢で会話をしているときに、その場をきちんと盛り上げられる人になるために、まずは「場をしらけさせてしまう人のパターン」を考えてみましょう。
魅力的なビジネスパーソンの能力の1つに、「大勢で会話をしているときに、その場をきちんと盛り上げられること」というものがあります。今回は、大勢で会話をするときに、その場を盛り上げられるようなトークの方法について考えてみたいと思います。
会話の場が盛り上がらない人の行動
場を盛り上げるトークの方法を考える前に、その場をしらけさせてしまう人というのは、いったいどんな人なのかを考えてみましょう。
私が見ていると、場をしらけさせる人は、大きく分けて次の2つのパターンに分かれるようです。
- 話が長い人
いったん話し始めると、延々と話し続けてしまう人がいます。「いったいこの人、いつまで話を続けるんだろうなあ」と周りがじりじりするのもお構いなく、ニコニコしながら話をし続けてしまう人。こういう人が1人でもいると、その場がしらけてしまいますよね。 - 会話の流れを止めてしまう人
話は長くないのですが、その人が話をするとそれで会話が止まってしまう、という人もいます。話を振っても「○○です」と、結論めいたことをぼそっと言うだけで、そこで会話が流れなくなってしまう。
ほかにも、自慢話も含めて、自分の話で終わってしまう人というのも、そこから先に話が続けにくいため、話の流れが止まってしまうことが多いでしょう。
もしあなたに、こういった会話をしてしまうクセがあるならば、場をしらけさせてしまっている可能性があります。お気をつけ下さい。
盛り上げ上手になるには「お昼休みのバレーボール」をイメージしよう
ということはつまり、グループで行う会話を盛り上げるには、上の2つのパターンにはまり込まないようなトークを心がければいいわけです。ではどうしたらいいでしょうか。シンプルに、次の2つを心がけてみて下さい。
- 話は短く
複数人数で会話を楽しむわけですから、1人の人間が話す時間はなるべく短い方がいいでしょう。1度でもストップウォッチを片手にトークの時間を計って頂けると分かるかと思いますが、よほど面白く、中身のある話でない限り、1人が話し続けて飽きない時間は、せいぜい20秒から30秒がいいところでしょう。ですから、1人でだらだらと長話をせず、できるだけ自分の話は短く切って、ほかの人に発言の機会を渡してあげましょう。
また、仮に長い話をするにしても、適度に短く切って相づちを打ってもらったり、合いの手を入れてもらうなど、周りの人にリアクションを取ってもらいましょう。そのときに、周りが面白そうな顔をして聞いていなければ、速やかに撤退してください。つまらない話をしても、潔く撤退さえすれば、必要以上に場をしらけさせることはないでしょうから。 - 自分の話が終わったら、次の人に振る
会話は続けば続くほど場は盛り上がるもの。では、そうするためにはどうしたらいいか。私が気を遣っているのは、自分が話すときに話しきって終わりにするのではなく、その後で「○○さんはどう思います?」といった感じに、次の人に話を振ることです。
そうすると、振られた人は答えるのが自然な流れになりますから、おのずと会話が続いていくわけです。同じように、自分の話をちょっと長々としてしまったときも、長くなりすぎたことをさらりとわびた上で「○○さんもそんなことってありませんか?」といった感じで次の人に話を振る、ということを心がければ、場もさほどしらけず、また盛り上がりのムードが作っていけることでしょう。
大勢で会話をするときのイメージは、たとえていうなら、昼休みに公園でみんなで輪になってバレーボールをして遊ぶ、あの状況に似ているでしょう。ある1人だけがずっとボールを持っていたり、せっかくボールを送っても相手が打ち返してくれないと、バレーボールが続きません。
長く会話というゲームを続けるためには、受け取るボールはなるべく短く、そして自分が打ったボールは、相手が受け止めやすいように心がける。そういったことも、上に挙げた2点を実践するだけでずいぶん変わってくると思います。
グループにおける自分のトークを改善したい、という人は、この点を意識して会話に臨んでみてはいかがでしょうか。
著者紹介 水野浩志(みずの・ひろし)
マイルストーン代表取締役。「社会に活き活きと働く大人たちを生み出す」をスローガンに掲げ、リーダーシップやモチベーション創造、自己表現力養成をテーマにした企業研修や公開セミナーを実施。また研修・セミナー講師向けに、具体的な成果を生み出す効果的なカリキュラムの構築手法や講師としてのマインド、人間力創りの指導も行っている。現在、日刊(平日)で、メールマガジン「1回3分でレベルアップ! 相手の心を掴むトーク術」を発行中。
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