自分を信じない人間は、他者を絶対に信じられない:名言で読む「リーダーの必読書」
あるとき、ふと考えた。「こんな早い時間にアラームをセットしているのはなぜなんだ。時計が鳴っても、起きてエクササイズするつもりはないことを自分で分かっているのに、なぜこんなことを続けているんだろう」と。
自分を信じない人間は、他者を絶対に信じられない。
――カーディナル・ド・レ卿(カトリック教会)
ある時期、私は多忙を極めていた。プロジェクトを仕上げるために5カ月間ほど毎晩夜中の2時か3時まで起きていて、朝目覚まし時計が鳴っても(トレーニングができるように、早い時刻にセットしていた)、手を伸ばしてアラームを切って二度寝していた。あの時はかなり睡眠不足だったので、エクササイズより少しでも睡眠をとったほうがいいのだと自分に言い聞かせ、アラームを切る行為を正当化していたのだ。
しばらく経ってから、ふと考えた。「こんな早い時間にアラームをセットしているのはなぜなんだ。時計が鳴っても、起きてエクササイズするつもりはないことを自分で分かっているのに、なぜこんなことを続けているんだろう」と。
アラームを毎朝切る行動は、私の自信を蝕んでいた。アラームが鳴っても自分が起きるとは思っておらず、理屈をつけて起きないことが最初から分かっていてアラームをセットしていた。自分の行動を予言し、そのとおりにしていた。アラームをセットする行為は茶番と化していたのである。
ようやく、やり方を変えることにした。アラームが鳴った時点で起きるのか起きないかを決めるのではなく、前の晩に決め、実際に起きるつもりの時刻にセットしたのだ。そのときからは、アラームを早い時刻にセットしたら睡眠時間がどんなに短くとも起床し、エクササイズをするようにした。そして、どうしても睡眠が必要なときは、アラームを遅い時刻にセットした。何時にセットするか決めるときには、自分との約束を明確にし、それを真剣に実行することにした。そうしなければ、約束を果たせない自分自身への信頼が減り続けていただろう。
これは些細な例かもしれないが、自己信頼の確立という意味において、私個人にとっては非常に重要なことだった。
(『スピード・オブ・トラスト』68〜70ページより抜粋)
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開催概要 | |
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