効用は「仕事の振り返り」――2011年版の手帳トレンド
日本能率協会マネジメントセンターの調査から、2011年版の手帳のトレンドが見えてきた。効用として「仕事の振り返り」を挙げるビジネスパーソンが多く、手帳の用途はスケジュールの書き込みから情報管理のツールに変わりつつある。
ビジネスに関連する情報を手帳に記録するユーザーが男女ともに増え、「見返すことで、仕事の振り返りができるようになった」と手応えを感じている――。
日本能率協会マネジメントセンターが9月28日に発表した「2011年版手帳のトレンド」でこんな傾向が明らかになった。手帳の使い方やこだわりに関する調査を7月に実施し、20〜50代のビジネスパーソン600人の回答をまとめた。
「書き込み量」増加が顕著に
2010年のトレンドとして、ビジネスパーソンによる手帳への書き込みの量が増えていることが分かった。スケジュール以外に書き込む内容では、「業務・行動記録」が60.7%(前年は31.4%)で最多。「ToDoリスト」が59.3%(同37.5%)、「自分以外のスケジュール」が39.0%(同23.8%)が続いた。
日本能率協会マネジメントセンター BTルート営業本部 販売促進部長の二宮昌愛氏は「手帳の使い方などをテレビや雑誌などのメディアが紹介した。また脳を活性化し、ものを覚えたり発想力を鍛えたりするといった書くことの効用が見直されたようだ」と書き込み量増加の背景を説明した。
手帳の効用「仕事の振り返り」
手帳利用者の57.6%が仕事で「手帳を使いこなせている」と答えている。手帳の活用における具体的な効用では、「手帳を見返し、仕事の振り返りができるようになった」(48.1%)が最も多く、「忘れ物やケアレスミスが減った」(43.3%)、「長期的な予定が把握でき計画的に動けるようになった」(35.7%)が続いた。
回答者の半数近くが「仕事の振り返り」を挙げている点について、二宮氏は「仕事の基本であるPDCAを、手帳で実行している」と説明した。
二宮氏は「2011年版の手帳トレンド」の特徴として、「手帳の使いこなしに自信を持っているユーザーが増えている」点を挙げた。前年までは「ユーザーが手帳の使い方を迷っている様子が見られた」という。「スケジュールの書き込みから情報管理に(用途が)変化している。手帳はユーザーの自己成長を支える」とまとめた。
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