増税は消費税だけじゃない。大増税時代の税金を理解しよう:大増税時代(1/6 ページ)
消費税率の引き上げをはじめ、増税の話題は今や定番となっている。そもそも自分はどんな税金をいくら払っているか? 重要な所得税や確定申告のことが理解できるように、税金の基本を解説する。
テレビニュースやワイドショーで今や定番の話題は増税だ。消費税の増税は「100円均一で105円払うのが108円、110円になるのね」と、日々の生活に密着しているので分かりやすいし、影響も大きい。消費税以外にも、よく分からないが増税の対象になっているものもある。子ども手当導入の見返りとして所得税は既に増税しているが、住民税は今年、2012年の6月から増税が始まる。
そもそも自分がどんな税金をいくら払っているか知らない人も多いだろう。2月になると確定申告という言葉を聞く機会が増える。今回はよく分からない税金の基本的なところを解説し、所得税、確定申告といった言葉が理解できるようなっていただきたいと思っている。
筆者はここ数年、確定申告の時期になると税金の記事を書いている。2011年は11月に年末調整の記事も執筆した。税金の基本的なところは変わらないので、3分の1くらいは似たような話を繰り返し書いているが、お陰様で毎回好評のようなので、多少過去の記事と重複する部分があっても今回も一から分かりやすく説明するようにしたい。
税金の記事を書いているので、筆者が税金に詳しいと勘違いされることがある。実は独立して6回目の確定申告を迎えても、なかなか理解できないのが税金だ。とはいえ、サラリーマン時代は全く理解していなかったので、そのころと比べれば多少詳しくなったとは思っている。
例えば増税のニュースなどで「給与所得控除に上限を設定し年収1500万円を越える人は一律245万円となる」と聞いても、サラリーマン時代の筆者なら「給与所得控除ってなんだ?」「年収1500万円……俺には関係ないな」「一律245万円……どこから出てきた数字だ?」と理解できないままだったと思われるだろう。
現在はこのニュースを聞いて「サラリーマンの給与所得控除はうらやましい。年収400万で400万円×20%+54万円=134万円。毎月11万円も経費が認められるって多すぎだろ」「年収1000万円を越えると年収×5%+170万円。1500万円で245万円、1億円だと670−245=425万円。課税所得が1800万円を越えると所得税40%+住民税10%だから……」と一応の理解と、増税額をザクっと計算して人ごととして笑うのである。
読者の中にはサラリーマン時代の筆者のように「給与所得控除って何だ?」と思う人もいるだろう。大増税時代を前に、何がどう変わるのか理解できるようになっていただきたい。
何がどれくらい増税されるのか
連日「社会保障と税の一体改革」という言葉を耳にするように、税制改革は進行中だ。既に確定している増税もあるが、これから決定するものも多い。多少の差異はあるが今回は間近に迫った大増税を紹介し、どれくらい増税されるのかを試算してみたい。来週掲載予定の次回は、源泉徴収票の見方などを通して読者が自身の税金を計算できるように、詳細な解説を予定している。
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