後編 ポメラ「DM100」とiPad、FlashAirで、“ノートPCレスのワークスタイル”を試す:IT記者はポメラでノマドワーカーになれるか(4/5 ページ)
「写真編集が伴うITライター仕事にノートPCは必須! ポメラだけで原稿執筆はキビシイ」――。これがポメラ「DM25」を試用した筆者の結論だ。しかし、これで思考停止してしまうのは悔しい。そこで後編では、Bluetooth接続やFlashAirに対応する最上位モデル「DM100」を使い、改めて“ノートPCレス”での仕事に挑んだ。
覚えておきたいのは、「文書ファイルを開くならWebブラウザから」「AndroidならWebブラウザでもアプリでも文書ファイル自体をコピーできる」という点。FlashAirアプリにはまだまだ向上の余地があり、今後のバージョンアップに期待したい。
FlashAirで画像を一括転送、実際の使用感は?
FlashAirにはもう1つ大きな役割がある。筆者の場合、デジカメで撮影した写真を何らかの形でタブレット側に転送する必要があり、それにFlashAirを使うのだ。しかも外出先で……。発表会の直後に原稿を書かなければならないとき、とてもじゃないが、数十キロ離れた自宅に帰る余裕はないのだ。
もちろん写真といっても、雑誌広告用の写真ほどの質は求められない。とはいえ、カメラの腕に自信がないので、特に記者発表会などの現場では、とにかく何回もシャッターを切る「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」戦法をとる。このため、ケータイやスマートフォンのカメラには頼れない。結果として、1回の取材で100〜200枚程度の写真を撮るのが普通だ。
写真のタブレットへの転送は、iPadでなら話が早い。アップル純正の「iPad Camera Connection Kit」なり、「Lightning - SDカードカメラリーダー」を使えばいい。近年のデジカメはほぼすべてSDカードに対応しており、特に問題なく画像をコピーできる。
しかし、それ以外の機種は、FlashAirか、それに類する“ポータブルWi-Fiストレージリーダー”的な製品が必要になる。
筆者はここ数年、キヤノンの「PowerShot SX10 IS」というカメラを使っている。これにFlashAirを装着し、あとは普通に撮影を行う。4月下旬のとある発表会では、プレゼン1時間、デモ1時間の合計2時間ほどの間に、全部で232枚の写真を撮っており、これを実際にNexus 7へ転送してみた。なお、複数ファイルを一括ダウンロードするには、専用アプリが必須なので、そちらを使った。
画像1枚あたりのファイルサイズは平均3.5〜4Mバイトほど。転送にかかる時間は1枚あたり約2.5秒程度だ。ただ、実際には画像の転送数が30枚を超えてくると、実用はかなり厳しくなってくる。
というのも、FlashAirの動作がカメラ側の省電力設定に影響されるためだ。デジタルカメラは多くが30秒〜3分程度無操作の状態が続くと自動でスリープ状態になる。この際、FlashAirの接続もオフになってしまうのだ。スリープに移行しないよう、1分程度ごとにデジカメを意図して操作するのはかなり骨が折れる。
そのため、複数写真の一括転送を行うときは、FlashAirをDM100に挿し直した方がいいだろう。DM100で原稿執筆をしていれば、DM100自体がスリープしてしまう可能性はかなり低くなってくる。ただそれでも、Nexus 7側の自動スリープによって、画像転送が中断するときがあるようだ。
せめてもの救いは、タブレット側とFlashAir側のファイルの差分がアプリ上でチェックされる点。転送が済んでいる画像はアプリ上でグレーアウトされ、その状態で「全選択」をタップすると、未転送ファイルだけを選択する。この機能のおかげで、最低限の使い勝手をなんとか確保できているのだ。
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