ビジネスメールに潜むトラブルの種:若手社会人のためのビジネス文書作成マニュアル(1/3 ページ)
社会人にとって欠かせないのがメール。十分に注意しないと、何気ないフレーズが上司やクライアントを怒らせてしまい、良好な関係が壊れてしまった……なんてことも。これはメールの作法を十分にマスターしていないからです。今回は基本的なメールのルールを紹介します。
コミュニケーションの手段が、「相対して話す」から「書いて相手に伝える」へと移行してきています。ちょっとした用件でも電話でなくメールを使い、書き込みができるインターネットのさまざまなサービスは隆盛を極めています。読み手に正しく理解をさせ、好感を抱かせるビジネス文章のテクニックとはどのようなものか。その基礎と応用を紹介します。(メディカル経営問題研究所 代表 須田 稔)
そのメールは社外向け? それとも社内向け?
社内メールと、顧客などに送る社外メール。どちらも礼儀をわきまえるのはもちろんですが、尊敬語や謙譲語を使い相手に失礼のない書き方を重視する「社外」と、簡潔で内容重視の「社内」メール。
基本的には「宛名」「挨拶」「名乗り」「本文」「結び」「署名」の6つのパーツに分かれます。これは社内でも社外でも一緒です。
「宛名」でまず気を付けなければいけないのは、表記の間違いです。特に社外の場合、初めて送信する人の名前は書く前に一度名刺を見直しておいた方が賢明です。また、社名も「前株」と「後株」のどちらなのか、「○○コンピューター」「○○コンピュータ」などの固有名詞の表記も思い込みで記さず、面倒でも確認してから書くようにしましょう。
「御中」も要注意。安易に使う場合が多いのですが、「○○株式会社 総務部御中」というように、担当者の名前が分からないときのみに使用します。普通は「社名+名前+様」です。「御中」と「○○様」は併用しません。
「宛名」の次に「挨拶」が来ますが、社内では簡潔に「お疲れさまです」くらいで十分です。「ご苦労さまです」は、通常、目上の立場の人から目下に対してのみで、逆は失礼に当たりNGなので注意しましょう。社外では「平素はたいへんお世話になります」「いつもお世話になっております」をどんな場面でも使う人がいますが、初めての相手には「初めてご連絡を差し上げます」「突然のメールにて失礼いたします」などの書き出しにします。
「本文」は、社内外問わず内容が要領よく伝達できているかがポイントです。簡潔に箇条書きに近い文面で、ワンフレーズごとに改行をするくらいの方が読みやすくなります。「結び」は、社内では「よろしくお願いします」、社外では少し丁寧に「お願いいたします」や「お願い申し上げます」が定番のフレーズです。「取り急ぎご連絡まで」というのもOKです。
複数の人に語りかける際「各位様」「各位殿」と表記する人がいますが、相手が目上や得意先であっても「各位」だけが正しい使い方なので覚えておきましょう。
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