「一夜漬け」では漬からない?!――睡眠と脳の仕組みを考える:世界で通用する人がいつもやっていること(1/2 ページ)
一般的に、徹夜して勉強することを「一夜漬け」と言いますが、脳の仕組みから見ても、実はとても効率が悪くそんなにしっかりと記憶は「漬からない」ものなのです。一度覚えたらすぐに寝て、起きたらまた覚えるを繰り返す。記憶の定着を高めるためにも睡眠は必要なのです。
集中連載「世界で通用する人がいつもやっていること」について
本連載は、世界で通用する仕事やコミュニケーションをこなす一流の人たちが実践していることを紹介している、中野信子氏著、書籍『世界で活躍する脳科学者が教える! 世界で通用する人がいつもやっていること』(アスコム刊)から一部抜粋しています。
世界で通用する人がいつもやっていることとは、具体的にはどういうことなのでしょうか? 実は、「空気は読まない」「敵を味方にしていく」「適度なストレスを与える」「いつでも仕事が楽しそう」など、ちょっと練習が必要なものもありますが誰もが簡単に身につけることができるものばかりなのです。
著者の中野氏は、東京大学大学院医学系研究科出身の脳科学者。世界上位2%のIQ所有者のみが入会を許される「MENSA」に所属し、フランス原子力庁勤務の経験もあるという。本書は、世界で活躍する脳科学者・中野信子氏が世界中で出会ってきた、世界で通用する仕事やコミュニケーションをこなす一流の人たちが実践していることを紹介した、今までにない自己啓発書です。本書を通じて、自分を磨くことをどんどん楽しめる人になってください。
著者プロフィール:
中野信子(なかの・のぶこ)
東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻修了、医学博士。2010年までフランス原子力庁に勤務。世界で上位2%のIQ所持者のみが入会できるMENSAの会員。
現在、脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行っている。
学習法だけにとどまらず、音楽と脳、セックスと脳、コスプレと脳、恋愛と脳、人工知能と脳、言語と脳、香水と脳など、従来にない脳の分析も得意とする
一夜漬けは効率の悪い勉強法
私は、大事なテストの前日はあまり遅くまで勉強せず、しっかり睡眠をとるようにしていました。今でも大事な試験などの前日には、可能な限り休息をとるようにしています。
私とは逆に、試験の前日に徹夜して集中的に勉強する人もたくさんいます。話を聞いていると、どうもこの方法で勉強する人のほうが、私のように寝るタイプよりも圧倒的に多いように思います。一般的に「一夜漬け」と言われますが、その名の通り、この方法では実はそんなにしっかりとは「漬からない」ものなのです。せっかく徹夜までして頑張っても、これは脳の仕組みから見るととても残念な勉強法です。
試験でいい点数を取りたいと考えている人にとっては「眠るのがもったいない」ということなのでしょう。でも、一夜漬けで覚えた記憶がちゃんと試験の場で生かせるかというと、実は非常に効率が悪いのです。経験者はきっと実感していると思いますが、意外と肝心なところで思い出せなかったりするものなのです。
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