したい、でもどうしたらいいか分からない――「はじめての“自炊”」、おすすめ裁断機とスキャナ:本や雑誌も電子化すれば死蔵しない!(1/2 ページ)
手元にある本や資料をデジタル化して持ち歩けるようにしたい、でも、どこから手をつけていいか分からない……。そんな自炊初心者が、何を用意すればいいかをご紹介しよう。
ムック「デジタル文具術」について
ビジネスにおいて“仕事ができる人”は、日々進化するデジタル文具に敏感で、常に作業効率化のための努力をしています。本書では最新ツールの情報はもちろん、仕事で実際にデジタル文具をバリバリ使っている達人たちの活用術を紹介します。
この記事は2013年7月31日に発売された玄光社の「デジタル文具術」から抜粋・再編集したものです。
自炊のメリットをひと言で言うと「綴じられた本のままでは決して得られなかったデジタルデータの利点が享受できる」ところだろう。
紙の本をデジタルデータ化するとまず、物理的なスペースの問題を解決できるのが大きい。本をよく読む人なら保管場所の確保には頭を悩ませているはずだ。自炊して本をデータ化すれば、ハードディスクの空き容量さえあればいくらでも保存でき、保管場所に悩むことはないわけだ。
次に、いつでもどこでも読めるという利便性の高さ。データをクラウドにアップロードすれば、インターネットに接続されたPCやスマートフォン、タブレットから読むことができる。電車の中で読もうと思った本を、家に置き忘れてしまった――という経験は、誰でもあると思う。その点、自炊してクラウドにアップロードした本ならば、スマホさえあればいつでも読めるわけだ。
アナログ書籍では得られない利点を享受
データには物理的な質量がないから、大量の書籍を持ち運ぶこともできる。紙の本だと、旅行のお供にシリーズものを持って行くのは難しいが、自炊した本ならタブレットやスマホがあれば簡単だ。
デジタルデータには任意の書き込みをすることが可能で、検索性も高い。データがPDFならマーカーを使ったり注釈を入れるのも簡単だ。作業はPCのAdobe Acrobatでするのが現実的だろう。スキャニング時にOCRをかけておけば、文字をテキストとして認識し、それを含むデータになる。
自炊にはざっと見てもこれぐらいのメリットがある。これから述べる導入にあたってのイニシャルコストと考え合わせて、これらのメリットを享受したいと思ったらぜひ自炊に挑戦してみよう。
マストアイテムは裁断機とスキャナ
大前提となるPCについては省略するとして、自炊に必須なのは、裁断機とスキャナだ。なぜ裁断機が必要なのかを説明するとともに、売れ筋の紹介と選び方を解説する。
ドキュメントスキャナで連続的にページの両面をキレイにスキャンするためには、紙の両端がそろっている必要があり、裁断機が不可欠だ。そうでないと紙送りの最中に詰まったりしてしまい、生成したデータのできに影響する。
スキャナ用に本をばらばらにするだけなら、カッターで十分なように思えるが、自炊している人のほとんどが裁断機を利用しているのはここに理由がある。裁断機があれば本のページを一度にきちんとカットできるのだ。
自炊が浸透したことで裁断機も高機能と低価格化が進んだ。「DC-210N」(カール事務器)は、2万円を切る実売価格ながら人気と実力を兼ね備えている。
もっとも、裁断機を実際に見るとかなり大きく、また重いので、二の足を踏んでしまう人も多いだろう。そういう人には裁断機のレンタルサービスもある。「スキャレン.com」では、裁断機をレンタルしてくれる。自分で裁断したいけれど、買うほどではないという場合、まずは借りてやってみよう。大型の裁断機を1490円(7日間 往復送料2600円)で借りることができる。
時間を節約したいなら、「SAIDANBOOKMART」を利用しよう。これは裁断を代行してくれるサービスで20冊1700円〜(文庫・コミック・新書のみ)。冊数が増えるとお得になる。また返送料は無料だ。
このようにひと口に自炊と言ってもいろいろな方法があるのだ。
パーソナル断裁機なら迷わずコレ!
手持ちの書籍をすべて電子化するなら、本格的な裁断機の導入は不可欠だ。ここでは、現在発売されているもっとも人気のある製品の中から、とっておきの2台を紹介したい。
光で裁断位置が分かるベストセラー裁断機
ディスクカッター「DC-210N」(1万8900円 カール事務器)の特筆すべき点は、カットライン(裁断位置)の視認のしやすさ。集光式紙押さえ板を採用することで、カットラインが光って見えるような仕組みになっている。これにより細かな調整が可能になった。一度にコピー用紙40枚を裁断でき、W360×L490×H80ミリ/2.6キロとコンパクトながら、A4までのサイズに対応。安全にも配慮されている
一発でザクッとイケる国産刃物の切れ味
「Durodexスタックカッター200DX」は、ハンドリングのよさと痛快な切れ味に定評がある。一冊丸ごとズバッとバラせる裁断幅約18ミリは非常に頼もしく、ちょっとした隙間にタテ置き収納ができるサイズ感も魅力(収納時のサイズはW400×D340×H170ミリ/9.8キロ。刃の研磨などのメンテナンスパックも用意しており、本格的に使いたい人には間違いない一台だ。
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