マンガ『ONE PIECE』に学ぶ、ベンチャー起業の理想型:世界を変える80年代生まれの起業家(1/2 ページ)
16歳で単身渡米し、21歳で米国で起業。現在、スタートアップ起業家を支援するネットワークを運営する伊地知天さん。インタビューの前編では、全てを自分でやろうとせず、必要なら他人の力を借りてチームにするという心構えの必要性について聞きます。
集中連載「世界を変える80年代生まれの起業家」について
本連載は、山口哲一氏著、書籍『世界を変える80年代生まれの起業家』(SPACE SHOWER BOOks)から一部抜粋、編集しています。
日本を活性化させるのは、80年代生まれの起業家だ!
国内の雇用環境の激変を背景に、若者の職業選択は大きく変わろうとしている。自己実現を1つの手段として、生き方として、新たに自らサービスを創造する「起業という選択」が注目されている。
本書では社会に新たな価値を提示し果敢に挑戦をし続ける、注目の80年代生まれの起業家10人に焦点をあて、彼らの起業動機やサービスのコンセプト、事業のあるべき姿、将来や人生の目標などをたずね、彼らの真の姿を浮彫りにしながら、起業という「もう1つの生き方」を提案。
シューカツの社会的矛盾と起業という選択肢の価値を問う。
スタートアップ企業を支援するベンチャーをつくった理由
21歳で米国で初めて会社をつくって以来、日米で数々の起業を行ってきました。日本の経済を強くするため、日本人の潜在力を生かすために、スタートアップ起業家を支援してネットワークをつくり、大企業とも結びつけるような仕事をしたいと思って、crewwを創立しました。
プロフィール:
伊地知天(いちじ・そらと)
creww(クルー)株式会社 代表取締役
16歳で単身渡米。2005年カリフォルニア州の大学在学時、21歳でアメリカにて起業。
その後7年で米4大ネットワークの1つであるFox社をはじめ、600社を超える世界中の企業のWeb戦略をサポート。アメリカでの事業売却やフィリピンでの起業を経て、2012年自身4社目の会社となるcrewwプロジェクトを開始し同年8月に法人化。その後ベンチャーキャピタルから出資を受け現在サービスを拡大中。
日本の起業率は先進国で一番低い
日本の起業率が、先進国の中で圧倒的に低いのを知っていますか? 下のグラフを見てください。2012年度のデータでは中国と米国が12.8%、英国は9%、韓国6.6%、ドイツ5.3%、フランスは5.2%、日本は4%程度しかありません。教育や経済の力では、世界のどの国と比べても劣っていない日本が、起業する人が少ないのは非常に問題だと僕は思っています。
日本の経済力がアジア諸国に追いつかれ、抜かれようとしている。人口も減っている中で、このままではヤバいというのが、crewwを始めようと思った原点です。次世代の日本経済のためにも、日本からイノベーションを起こす必要があります。
そのために、挑戦したいという人が挑戦できる環境をつくらないと、これからの日本は危ないです。日本が成長していくためには、社会を変えるようなイノベーションを起こす人が出てこなくてはいけないし、そういう人を支えなければいけない。本来は政府がやるような仕事なのかもしれませんが、なかなか始まらないようなので僕らがやってやろうと思いました。
関連記事
- 起業して「社長」になってもすぐに譲る、なぜ?――実業家・作野裕樹氏
実業家の作野裕樹氏は起業しても、すぐに「社長職」を他人に譲ってきた。多くの人は「社長」に憧れるものだが、なぜ作野氏はそんなことをするのか。その理由は……。 - 社長になるにはどうしたら? 必要な資金はスロットで――実業家・作野裕樹氏
六本木と熱海で会社を経営する作野裕樹氏は、小学校のころから「社長になるにはどうしたらいいのか」を考えていた。起業家育成にも力を入れているが、そのバックグランドにはさまざまな人生経験があった。 - 南場智子さんが語る、マッキンゼーの経験が役に立たなかった理由
社長を退任してから2年――。DeNAの創業者・南場智子さんが現場に復帰した。会社を離れていてどんなことを感じていたのだろうか。講演会で語った、南場さんの“今”をまとめた。 - 入社前に学生の身で起業し、一国一城のあるじを目指す
サイバーエージェントのグループとして起業したシロク。4人のメンバーがで始動した同社がオフィス作りに持つこだわりとは? - 「世の中の役に立ちたい」気持ちが強すぎる若手社会人が陥りやすいワナとは?
「今やっている仕事が世の中の役に立っていると思えない。人の役に立つ仕事がしたい」そう熱望するあまり会社を辞めてしまう若手社会人は少なくありません。やる気があり、当事者意識を持って仕事に取り組める人材だからこそのジレンマとは……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.