【オンタイム編】プレゼン中はどこを見て話せばいいの?:岩淺こまきのオン/オフで使えるプレゼン術(2/2 ページ)
プレゼン中に見るべき場所は「聞き手」。その場にいる聞き手全員とコミュニケーションをとるつもりで話すのが大事です。でも聞き手が大人数だったら――そんな場合の対処法もご紹介します。
聞き手が大人数の場合は、ブロックに分けて、ブロックごとの代表者に語りかける
会場(部屋)の広さにもよりますが、聞き手が20人を超えると、1対1のコミュニケーションを全員に行うのは難しくなってきます。50人を相手にする1時間程度のプレゼンであれば不可能に近いでしょう。そこで、聞き手を大まかにブロック分けします。20人から50人程度なら5〜6ブロック、50人を超えるとだいたい会場全体(1フロアの場合)を6〜8ブロックくらいに分けて考えます。
例えばA〜Fのブロックに分けるとすると、はじめにAブロックの誰かに語りかけ、区切りがついたらBブロックの誰か、そのあとはCブロックの……と順番に見ていくようにします。その中の誰を見るかは自由ですが、コミュニケーションの目安がほしいプレゼンターや、気の弱いプレゼンターは、うなずきやメモを取るといったリアクションの分かりやすい聞き手、通称「うなずきさん」を早めに見つけて、その人を意識しながらプレゼンテーションするのがおすすめです。大人数であればあるほど、必ずいると信じて探してください。
プレゼンテーション中はそのリアクションを参考にすると、不安でどんどん説明が早くなることを抑えられるはずです。私は早めに会場に入り、好意的な聞き手や知り合いを探したり、名刺交換をしたりして目安にすることが多いです。
「うなずきさん」間を移動するタイミングをおさえる
ブロックごとに「うなずきさん」を見つけたとしても、彼ら全員にどのように視線を配るかも難しいところです。ずっとAブロックの「うなずきさん」だけに話しかけていても、聞き手の多くに内容を訴えかけられません。基本的に、説明中は会場全体を見回し、語尾でAブロックの「うなずきさん」に目をとめる。そして、続きを会場全体を見渡して説明し、次のブロックの「うなずきさん」に目をとめるということを繰り返します。
自分の説明する文章が長すぎて、会場全体を見渡すのが難しい、という場合は、文中の読点や区切りで誰かに目をとめることを意識してみてください。これらを実践すると、聞き手は「プレゼンターは自分に向けて説明してくれている」という印象を持ち、説明をちゃんと聞いてくれます。
ベストなのは聞き手全員とコミュニケーションをとること。大人数などそれが難しい場合は、会場全体を見ながら、句読点で「うなずきさん」に目を留める、を繰り返してみましょう。仮に会場が暗く、プレゼンターから聞き手の顔が見えない場合でも、このテクニックは有効です。次のプレゼンテーションで、ぜひ試してみてくださいね。
著者プロフィール:岩淺こまき
グローバルナレッジネットワーク株式会社 人材教育コンサルタント/ヒューマン・スキル講師
大手システム販売会社にて販売促進、大手IT系人材紹介会社にて人材育成、通信キャリアでの障害対応、メーカーでのマーケティングに従事。さまざまな立場でさまざまな人と仕事をし、「ヒューマン・スキルに長けている人間は得をする」と気づく。提供する側にまわりたいと、2007年より現職。IT業界を中心に、コミュニケーション・ファシリテーション・リーダーシップ、フォロワーシップ、OJT、講師養成など、年間100日以上の登壇及び、コース開発を行っている。日経BP「ITpro」で、マナーに関するクイズ形式のコラムを連載中。
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