社長に問われるのは「究極の実行力」:選ばれ続けるリーダーの条件(2/4 ページ)
マネジメントの世界で「選ばれる」が続くと、最終的には社長に行き着きます。社長ほど大変なものはありませんが、面白いものもありません。ぜひ人生で一度は社長というポジションを経験してほしいと思います。社長にしか見えない世界が、そこにはあるからです。
起業のために会社に入る
起業を成功させるために最初から起業するつもりで会社に入り、3年間で徹底的に組織運営のことを吸収するのはアリだと思います。必ず3年間で区切りをつけることを決めておくことで、吸収のスピードは何倍にもなります。
起業したら、備品の購入から商品の販売、資金調達まで、すべて自分たちでやらなくてはなりません。財務の流れも営業のノウハウも、広報のポイントも、他部署に行って人に聞きまくるくらいのことをしてみるのです。それをやったら、やる気のある優秀な奴だということで、注目される社員になるはずです。ゴマスリで上に取り入ろうとしている社員より、よほど評価されると思います。
3年経って選ばれる人間になっていたら起業せずそのまま残るのもいいですし、計画通り起業しても、何も分からないまま起業するよりかなりのアドバンテージを得ています。
会社を辞めて起業する場合、いまの会社で仕事をしているパートナーやお客様をもっていれば、3年はなんとかなるというような言われ方をします。
しかし、これは惑星の周りを回っている衛星のようなもので、自立した存在になっていません。3年で貯金を食いつぶしてそれまでになる可能性があります。
それよりも、自転する惑星を最初から目指すべきです。会社員時代の人脈に頼りすぎないようにするべきです。
アップルは言うまでもなく、いまの世界的大企業もスタート時点ではほとんどがベンチャー企業でした。自分の「やるべきこと」をやるには起業しかないと判断した場合、覚悟を決めてスタートするのも1つの道です。
関連記事
- これからの働き方、新世代のリーダー
- 仕事は70%程度――ぶら下がる20代を次世代リーダーに変える処方箋
指示されたことはこなすが、それ以上はあえてしない。そんな若手社員が周りにいないだろうか? 「ぶら下がり状態」の社員にリーダーシップ力を付けてもらうために、上司や会社、本人に何が必要なのか。 - リーダーは部下に「指示」ではなく「意図」を伝えよう
「指示」を与えられた人は、指示通りに動くだけです。タスクの完了だけを目指し、必要最低限のことしか考えなくなるのです。 - あなたの志は何ですか? 志なしリーダーの10の行動
リーダーシップを発揮するうえで、最も重要なポイントは何だろうか。これまで1万人以上の人材育成に携わってきた筆者によると、それは「志」だという。では、志のないリーダーはどのような行動を取るのだろうか。10の行動でまとめてみた。 - リーダーにふさわしい人材がいない……それは“昇進のジレンマ”
次代を担うリーダーが出てこない、という企業の悩み。その原因の1つには、失敗を経験した人が昇進させられないという制度上の問題があるのかもしれない。 - リーダーに「カリスマ性」は不要である
リーダーに必要な能力を問うと「カリスマ性」という回答が寄せられる。その気持ちは分からないではないが、若きリーダーが「カリスマ性を身につけよう」と目指すとろくなことがない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.