実は迷惑行為だった「友人との写真」のアップロード:個人情報そのやり方では守れません(1/2 ページ)
友人との楽しい飲み会。「今日は、久しぶりにみんなで盛り上がりました!」というように、仲間との写真をSNS上に公開している人も少なくありません。しかし、この写真から思わぬ事態を招くことにも……。
集中連載「個人情報そのやり方では守れません」について
本連載は、武山知裕著、書籍『個人情報そのやり方では守れません』(青春出版社)から一部抜粋、編集しています。
「同じパスワードを使い回している」「英文の迷惑メールがやたら届くようになった」「マンション投資などの勧誘電話が頻繁にかかってくる」「このところ、パソコンの動作が遅くなった気がする」――。
1つでも思い当たる人は要注意! あなたや家族の重要な個人情報が漏れているかも?! 意外なところから個人情報が漏れる時代、個人でできる最新の安全対策法を教えます!
Facebookの「友達の友達」。その人数はなんと……
ホームページやブログは開設してはいないけど、Facebookやmixiはやっている、という人は少なくないと思います。
そういったSNSの代表格は、Facebookでしょう。現在、全世界で11億人以上(2013年3月末)が利用し、日本でも約1400万人が使っています。
Facebookの大きな特徴は「実名登録」です。一般人だけでなく、総理大臣をはじめ、政治家やタレントなども利用しています。
自己紹介やプロフィール、出身校、これまで勤めた会社、趣味に家族と、さまざまな情報を書き込むスペースが用意されていて、利用者の個人情報がぎっしり詰まっています。
こういった個人情報の安全面を考えて、その人の「友達」、もしくは「友達の友達」など、利用者が「許可した人だけ」が見られるような設定にしている人は少なくないと思います(情報の公開を無制限とすることもできます)。
「友達」や「友達の友達」なら、そこで知りえた個人情報を悪用はしないだろうと信頼できるでしょうし、そもそもFacebookでは「友達を増やす」ことが目的の1つでもあるので、情報公開に制限をかけすぎると友達を増やしにくくなり、せっかく利用する意味合いも半減してしまうからです。
では、そのFacebookで「友達の友達」はいったい何人になるのでしょうか。
米国の調査会社が調べたところ、Facebookにおける「友達の友達」は、平均約3万人にのぼることが分かりました。1つの町にも匹敵する人数です。
「友達」と「友達の友達」だけに公開しているつもりでも、じつは「満員の野球場のバックスクリーンに自分の個人情報を表示している」ようなものなのです。
そう考えると、Facebook上の「私個人の発言」が、あっという間に広がる可能性を秘めているのです。
制限しているとはいえ、公共の場で発言していることを意識する必要があります。
実は迷惑行為だった「友人との写真」のアップロード
Facebookやmixi、TwitterなどのSNSを利用したり、ブログを公開している人なら、日頃から自分の身のまわりの出来事を投稿しているでしょう。
例えば、友人との飲み会のときなどには「今日は、久しぶりにみんなで盛り上がりました! 参加者の写真をアップします」というように、仲間と集まった楽しい様子をアップしている人も多いですね。
ところが、友人の1人が、その集まりに参加したことを理由があって秘密にしておきたかったらどうでしょうか? 写真がアップされてしまうことで、第三者に知られたくない情報が漏れてしまうことにもなるのです。
とくにFacebookには「タグ付け」という機能があります。タグとは特殊なリンク機能で、友人が写っている写真にタグを付けると、その写真から友人のFacebookページへと自動的にリンクが作成されます。
さらにタグ付けされた友人のタイムライン上に写真も公開されます。そうなれば、友人の「友達」からも閲覧できる状態となってしまいます。
これでは、その友人が飲み会に参加したことを内緒にしておきたくても、内緒にしておくことはできません。
その写真を見た友達は「ああ、アイツ、今日は用事があるって言ってたのに、この飲み会に参加していたんだ」と思うかもしれません。仕事の用事を差し置いて参加していたら、たった1枚の写真で上司や取引先の信頼を失ってしまうこともあるでしょう。
なお、Facebookには「タグ付けされた」写真が自分のタイムラインに勝手に投稿されないように設定する機能もあるので確認してみましょう。
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