SNS上で、見知らぬ人と友達になってはいけない:個人情報そのやり方では守れません(1/2 ページ)
Facebookを利用していて見知らぬ人から友達申請を受けることがありますが、たいていは偽アカウントなので友達になってはいけません。個人情報が偽アカウントの作成者の手に渡り、プライベートが筒抜けになってしまうからです。うっかり「友達」になってしまうと、痛い目にあうかもしれませんよ。
集中連載「個人情報そのやり方では守れません」について
本連載は、武山知裕著、書籍『個人情報そのやり方では守れません』(青春出版社)から一部抜粋、編集しています。
「同じパスワードを使い回している」「英文の迷惑メールがやたら届くようになった」「マンション投資などの勧誘電話が頻繁にかかってくる」「このところ、パソコンの動作が遅くなった気がする」――。
1つでも思い当たる人は要注意! あなたや家族の重要な個人情報が漏れているかも?! 意外なところから個人情報が漏れる時代、個人でできる最新の安全対策法を教えます!
見知らぬ人と友達になると、こんな痛い目に
Facebookを始めてまだ3カ月の渡部一樹さん(仮名・38歳)。これまでmixiなどのSNSを利用したことはなく、Facebookも友人に誘われるまま軽い気持ちで登録しました。
見よう見まねで始めた渡部さんですが、学生時代の友人や職場の仲間など、徐々に友達の登録も増え、Facebookを通じて懐かしい友人と再会できたり、普段はなかなか会えない友人の近況を知ったりと、その楽しさを実感していました。
そんな矢先に、「中村健一」と名乗る人から友達申請が届いたのです。
昔の友達や仕事関係の人など、思い当たる「中村さん」を想像してみますが、どういった関係か思い出せません。高校時代に似た名前のクラスメイトがいたように思いますが、とくに親しかったわけではなく、これも分かりません。このまま友達申請を無視してしまっていいのだろうか、と悩みます。知り合いだったり友人の友人であれば、あとで気まずい思いをしてしまうかもしれません。
「もしかしたら間違いかもしれないけど、友達がひとり増えるだけだから……」と、その友達申請を許可してしまいました。
渡部さんは情報を騙し取る「不正アカウント」の存在を知らなかったのです。
Facebook初心者である渡部さんの失敗は、信頼できる相手と確認せずに友達申請を許可してしまったことに原因があります。
Facebookを利用していると、見知らぬ人から友達申請を受けることがよくあります。こういった友達申請は、たいていは偽アカウントなので、見知らぬ人と友達になるのはやめたほうが無難です。
最近では、実在の友人の名前をかたって、その「友人になりすまして」友達申請をしてくる偽アカウントも登場しています。Facebookでは、実は同姓同名をかたることは簡単です。
こういった偽アカウントと友達になってしまうと、まず、Facebookに登録している生年月日や居住地、勤務先や出身校といった個人情報が、偽アカウントの作成者の手に渡ってしまいます。プライベートが筒抜けになってしまうのです。しかも、本人の情報が抜き取られるだけではなく、その人が登録している友達の個人情報までもが盗まれてしまうのです。
Facebookでは、プロフィールなどの個人情報の公開範囲を自由に設定できます。多くのユーザーは、「友達の友達」まで公開範囲を設定しています。そのため、友達としてつながった偽アカウントは、これら情報をすべて参照できてしまうのです。
偽アカウントは、こうやって入手した個人情報を名簿業者に売却したり、その個人情報をもとに迷惑メールを送り付けてきたりします。
それだけならまだしも、架空請求や振り込め詐欺など、次なる攻撃を仕掛けてくることもあります。とくに、Facebookには家族のことや友人のこと、仕事や最近の出来事などを書き込んでいる人が少なくありません。それらの情報をもとにその本人になりすまし、家族しか知らないようなプライベートな話題を持ち出すことで、よりリアルな振り込め詐欺を働くこともできるのです。
さらに3人以上の偽アカウントと友達になってしまうと、アカウントを乗っ取られる可能性さえあります。Facebookには、3人の友達に協力してもらうことでパスワードを再設定できる機能が用意されているからです。
もしアカウントが乗っ取られれば、個人情報の漏えいはもちろん、悪意ある投稿やメッセージの送信など、あらゆる不正行為に利用されてしまう恐れがあります。
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