SNS上で、見知らぬ人と友達になってはいけない:個人情報そのやり方では守れません(2/2 ページ)
Facebookを利用していて見知らぬ人から友達申請を受けることがありますが、たいていは偽アカウントなので友達になってはいけません。個人情報が偽アカウントの作成者の手に渡り、プライベートが筒抜けになってしまうからです。うっかり「友達」になってしまうと、痛い目にあうかもしれませんよ。
同姓同名のアカウントに要注意
Facebookを始めて1年半の森下みずきさん(仮名・33歳)に、ある日、友達申請が届きました。「永田恵子」という名前だったので、「ああ、恵子か」と思ったのですが、なんだかおかしな感じが……。
森下さんが自分の友達リストを確認してみると、そこにはすでに「永田恵子」の名前があります。恵子ったら間違って2度も申請してきたと思い、とりあえずそのままにしておきました。
しばらくすると、今度は、永田恵子さんからFacebookにこんな書き込みがありました。
みなさんこんにちは。本物の「永田恵子」です。最近、私と同姓同名の「永田恵子」からみなさんに友達申請が送られているようですが、友達にならないでください。その「永田恵子」は私ではありません。みなさんが、知っている「永田恵子」かどうかは、その人のプロフィールを見れば一目瞭然です。繰り返します。絶対に友達にならないでください。
この書き込みを読んだ森下さんは、その偽物と思える「永田恵子」のプロフィールを見てみました。プロフィール写真もなければ、出身校や居住地の情報もありません。
もちろん、最近の投稿もなく名前はあるのに実在がない、まさに偽アカウントだったのです。
森下さんは、なんかおかしいと気が付いたので友達にならずにすみましたが、最近、こういった実在する人物と同姓同名をかたる「偽アカウント」が増加しています。
もし、偽アカウントであると発覚した場合は、偽物が出回っていることを友達に伝えて、被害の拡大を防ぐ必要があるでしょう。
また、Facebookにも偽アカウントとして報告するのも忘れないでください。偽アカウントのページに行き、右側の「メッセージ」の横にある歯車をクリックします。そこから「報告・ブロック」を選び、Facebookへ通報します。
友達申請を受けたときのチェックポイント
信頼できる友達ではないと判断した場合は、申請を承認するのは避けましょう。共通の友達がたくさんいる場合でも安心は禁物です。紹介だろうと結論を急がず、メッセージで連絡を取って確認します。
判断を迷ったときは、以下の点をチェックしてみてください。
Facebook内で名前を検索してみる
同じ名前で大量に登録しているケースもあります。同じ名前での登録がずらっと出てくるのであれば、偽物と疑ってみたほうがいいでしょう。
プロフィール写真をGoogleの画像検索で検索してみる
利用されている写真をダウンロードし、Googleの画像検索機能で探してみます。偽アカウントでは、インターネット上に公開されている、まったく関係のない人の写真、アジア圏のアイドルの写真などを無断で利用しているケースが少なくなく、元ネタを発見できる場合があります。
申請してきた人のFacebookページで書き込み内容などをチェック
偽アカウントは大量生産されており、手の込んだ書き込みなどを行っているケースはほとんどありません。
森下さんに偽アカウントを送ってきた永田恵子のように、登録したばかりのように目立った書き込みがないことがほとんどで、数枚の写真が投稿されているだけ、といったことも多いのです。
矛盾点がないかプロフィールを確認してみる
偽アカウントは海外で作成されている場合もあります。そのため漢字の読み方を間違えている場合が少なくありません。
とくに名前です。日本人にはなじみのある普通の漢字の名前でも、ローマ字の読み方を誤ったり、不自然な場合も多くあります。
※この記事は、2014年2月時点の各社サービス内容に基づいて執筆したものです
(つづく)
→連載「個人情報そのやり方では守れません」バックナンバーはこちら
著者プロフィール:
武山 知裕(たけやま・ともひろ)
國學院大学文学部哲学科卒業。パソコン専門誌の編集、ニュースサイトのディレクターなどを務めた後、企業向けIT関連保険の啓発活動を展開。2004年に専門メディアを設立。現在、「Security NEXT」編集長兼、運営会社であるニュースガイア株式会社代表取締役。情報ネットワーク法学会、日本セキュリティ・マネジメント学会会員。
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