日本では“まだ”使えない「Office for iPad」、利用条件と「Office 365」をおさらい(2/2 ページ)
日本ではまだ(2014年4月現在)使えないiPad向けMicrosoft Office「Office for iPad」だが、いくつかの条件を満たせば使えるケースがあるようだ。今回は参考──ということで、利用事例を紹介しよう。
日本のOffice 365契約者なら
では改めて日本の場合はどうか。前述したとおり、Office 365は現時点、法人向けのみに提供している。
小規模ビジネス向け「Small Business Premium P2」、中規模ビジネス向け「Midsize Business M」、エンタープライズ向けの「Enterprise E3」「Enterprise E4」プランにProPlusが含まれる。このプランで契約しているのであれば、(アプリダウンロードの条件が解決されれば)Office for iPadのフル機能は使えるとみられる。ただ、前述したとおり、日本にはOffice 365のコンシューマー向けプランがまだない。現時点では(個人契約にはあまり向かない)少し高いSMB向けプランを選ぶイメージだ。
今回、米国在住時に取得した米国のApple IDを用い、かつ個人的に日本のSmall Business Premium P2プラン(30日お試しアカウント)で実験してみたところ、ひとまず“無料”で使える機能以外の──新規文書の作成、編集、OneDrive(SharePoint)への保存などの操作も可能だったことを確認した。
一応、実際の設定では少し工夫が必要。「Office 365 Homeを購入する」「無料で表示」のいずれかを選択する最初の起動画面で、後者の「無料で表示」をまずは選択してアプリを起動してから、起動後のメニューよりアクティベーションを行う必要があった。
……ともあれ、日本マイクロソフトが定めた正規の利用手順ではないのは留意してほしいが、日本で契約するOffice 365アカウントで利用できないというわけではないようだ。
さて、このOffice for iPadは、これまでMicrosoft内部の開発コード名として「Gemini」などの名称で呼ばれていたものといわれている。“いわれている”と微妙な表現なのは、これがいわゆる「タブレット向けOffice」の第1弾にあたるものであるためだ。
本来「Gemini」の開発コード名で呼ばれていた製品は、今後の登場が見込まれる「Office for Windows Tablets」だった。現在のMicrosoft Officeのソフトウェア群に実装される「タブレットモード」は、タッチ操作のため「アイコンの間隔を広げてボタンを押しやすくする」程度の工夫がなされただけで、実際にはタッチ操作に最適化したと思えるユーザーインタフェース(UI)にはなっていない。これを最適化させる新バージョンが「開発コード名:Gemini」というわけだ。このあたりは、Office for iPadの登場が間近だと報じ、過去数カ月間に渡り“Gemini”の概要を伝えてきた米ZDNetのMary Jo Foley氏の記事が詳しいので興味ある方は参照してほしい(参考 ZDNet:Microsoft launches Office for iPad)。
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