大切なことは「短く」伝える:「で、結局何が言いたいの?」と言われない話し方(2/2 ページ)
確実に伝えたいことほど、簡潔に話をしましょう。話し手は、話すのに一生懸命で時間が経つのを忘れることもありますが、聞き手が集中できる時間はかぎられているからです。
大事な話は事前にレビューする
話したあとで「しまった……」とならないように、大事な話ほど、できれば周囲の人に事前にレビューしてもらうと、内容がこなれて質が上がります。
人に見てもらう前に、1人でもレビューができる便利な3つの質問があります。
- 「本当?(True?)」
- 「どうして?(Why?)」
- 「で、どうしたい?(So what?)」
1.と2.は確認をしたり、詳細や根拠を求めたりする質問です。知らないことや予想外のことを聞いたときには自然に出てくるセリフです。
この2つの質問は、北川達夫氏も著書『図解 フィンランド・メソッド入門』の中で、グローバルに通用するコミュニケーションのトレーニング法として紹介しています。
言いたいことを言葉にしてみたけれど、なんだか分かりづらいと思ったら、3.の「それで、どうしたい?」と自問してみましょう。話したいということは、相手に何かを伝えるべきことがあるということです。「自分はどうしたいのか?」「相手にどうしてほしいのか?」を確認します。
このようにレビューをして、話の内容を明確にしていきましょう。
今回のポイント
「本当?」「どうして?」「で、どうしたい?」と問いかける
(次回は「表現を工夫する」について)
著者プロフィール:
金子敦子(かねこ・あつこ)
東京大学文学部卒業。英国インペリアル・カレッジ・ビジネススクール(MBA)修了。
アクセンチュア(コンサルタント・マネージャー)勤務、MBA留学を経て、UBS証券株式調査部(アナリスト・ディレクター)として業績予想および投資判断リポートの作成、国内外機関投資家へのプレゼンテーション業務を行う。
その後、武蔵野大学グローバル・コミュニケーション学部(専任講師)においてビジネス・コミュニケーションをはじめ、ビジネス英語、財務諸表分析・企業分析を担当。
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